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ポスト「コロナ」イノベーション

コロナに強い収入保険 無利子の「つなぎ融資」が経営危機を救う

新型コロナウイルス危機は依然として予断を許さない。農産物の販路が途絶え、収入が落ち込んだ。2年前に制度化された収入保険が、この想定外の事態に威力を発揮しつつある。本誌ではおなじみの土門剛氏に、コロナ禍収入保険の最新状況をレポートしてもらった。
通称NOSAI全国連と呼ぶ全国農業共済組合連合会は、2018年に収入保険を実施するために設立された新しい組織である。収入保険制度の発足に伴う組織改革だった。このNOSAIが収入保険の元締めのような役割を果たし、都道府県にある共済組合は支店のような位置づけとなる。

NOSAIがコロナ対応サイトを新設

その支店窓口に新型コロナウイルス絡みの相談が相次ぐようになったのは、3月頃からだった。感染者が地方でも増え始めて、政府による全校休校要請やイベント自粛要請などが相次いで打ち出され、販売先をなくした農家が駆け込んできたのだ。
コロナは、収入保険にとって大きな追い風になっている。民間の保険会社なら、ここぞビジネス・チャンスとばかりに一大営業攻勢をかけるところだが、収入保険は違った。混乱に便乗するような形での普及は各方面に誤解を与えかねないと自粛していたのだ。いかにも国が扱う保険らしい。
ところが感染者が地方でも増えるにつれ、支店窓口では対応できない事態が起きてくる。そのため、 NOSAIは、急遽ホームページに新型コロナウイルスのサイトを開設することにした。先手を打って農業者の抱える不安解消に向かった方が、農業者のためになると判断したのだ。6月1日のことだった。
収入保険にとってコロナは想定外の事態だった。NOSAI担当者も、支店窓口に寄せられる農家からの相談に最初は戸惑うことも多かったという。当初、収入保険が想定していた内容とは違うリスクがいくつもあったからだ。
NOSAIのコロナ対応サイトにアップされたコロナ・リスクを4つのケースに整理してみる。それぞれの状況を補足説明しておいた。

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