ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

夏商材として期待されてきた野菜 オクラ/ミョウガ/ゴーヤー/ズッキーニ

梅雨明けから夏場には、西日本に台風が襲来する確率が高いのに対し、従来は秋まで台風とは無縁な東日本では、冷夏でもない限り順調な生育と計画通りの出荷を期待できる。豊富に出回って安さをアピールできるということで、小売店頭をにぎわすが、なかでも夏商材として近年アピールされてきた品目は、ねばねば系食品や沖縄のローカル系のスタミナ野菜といわれるものや、夏の食を彩る薬味としての提案、新たな果菜類としての訴求などで注目されてきた。
今年は、新型コロナウイルス騒動で消費マーケットは、通常の夏とは異なる展開になるだろうが、昨年までの推移がどうだったかは検証できる。

オクラ/10年ではやや減でも消費は定着、秋以降の産地や格外商品に期待

【概況】
東京市場におけるオクラの入荷動向を2009年と2019年の10年間で対比すると、入荷量は15%減って単価は48%高。10年間で1.5倍になった。09年に26%でトップシェアの鹿児島は、19年は数量も3%増えてシェアは31%。2位(21%)だった沖縄は6割近く減ってシェア11%、代わってフィリピン産が1.5倍入荷して2位になった。鹿児島、沖縄、高知の3県は変わらず周年産地で、沖縄は東京市場以外の出荷を増やした。
【背景】
オクラは1980年代(昭和55年)から生産が始まり、10年後、平成に入ってバブル経済崩壊後も徐々に産地も拡大していった。年間での入荷ピークは7~8月で夏のど真ん中、09年には35都道府県から入荷していた。この年には特に7月が各県から揃って入荷したため、数量が飛び抜けて多かった。そこで09年の入荷量(3126トン)は過去最高に。だが、結局、以降は年間2600~2800トンで推移。最高だった年と比較したことで15%減になった。
【今後の対応】
オクラは健在である。いまや年間を通じて消費されており、タイやフィリピンからの輸入品でも抵抗なく買われている。ナガイモ、納豆、メカブなどと並んでねばねば食品としての人気は衰えない。九州産地などはもっと生産を増やしてもいいし、関東以北では近年、産地がなくなってきたが、秋以降に出荷できる産地も欲しいところ。オクラは全産地が同じ規格で出荷している。“込み商品”などもっと価格を抑える工夫をしたら、再ブームの可能性も。

関連記事

powered by weblio