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今年の市場相場を読む

夏商材として期待されてきた野菜 オクラ/ミョウガ/ゴーヤー/ズッキーニ



ミョウガ/高知が他産地淘汰し盤石の体制に、計画的な拡大策が一般消費を創造

【概況】
東京市場でのミョウガは、09年対19年では、数量は5%程度の減少で単価は22%高い。09年当時は主産地高知が周年供給してシェアは78%で圧倒的。他にも関東5県と愛知が周年供給産地で全国27県から出荷があった。それに対して、19年では全体数量は5%減でも主産地高知は数量を13%増やしてシェアは93%、周年産地は他に群馬しか残っておらず、出荷産地は20県に減った。高知が他県を淘汰して数量・価格を調整できる立場になった。
【背景】
ミョウガは、かなりクセが強い野菜である。東京市場の分類では「香辛つま物類」であり、かつては主に料亭などの業務用の食材であった。初夏から夏を告げる季節野菜であり、ピークは7~8月だが、現在は高知が周年にわたって生産、全国に向けて出荷している。19年では明らかに09年より出荷が前進化し、4月から入荷が増えている。9割を超えるシェアを持つ産地は、当然ながら予約相対を含む契約取引も、相場もマーケットもコントロールできる。
【今後の対応】
この高知はつま物需要から、一般家庭への需要開発を目指し、生産の集約と拡大、栽培技術の安定化・効率化で量産し、生産コストを低減。それに連動した値ごろ感ある販売価格の設定を可能にした。販売単位を1パック3個入、小売店頭では高い時で200円前後、安い時で100円セールもある。買いやすい価格設定と、一年中の品揃えで、消費者がリピートする機会ができた。最近パクチーの普及拡大が話題だが、ミョウガは計画的に普及促進した。

ゴーヤー/夏場の出荷抑制されて単価高誘導か、需要定着で待たれる東日本の産地化

【概況】
東京市場のゴーヤーは、10年対比では数量は36%減って19%高くなった。減少には特徴があり、27%を占めていた主産地沖縄が10年で27%減り、九州地区からの出荷が全体の77%を占めていたものが59%となり、代わって、群馬、茨城を中心に関東産地が40%を占めるようになった。また、シーズンであるはずの5~9月の需要期に出荷量が減ったことで単価が高くなった。秋から冬に需要は落ちるものの、入荷は継続して周年商品になった。
【背景】
ゴーヤーという地方野菜は、見た目もグロテスクで何よりも苦い。そんな野菜が普及拡大したことは、市場の専門家の想像を超えた。売れ始めたころ、沖縄を舞台にしたNHKの朝の連ドラ「ちゅらさん」(ベッピンさんという意味)に、ゴーヤーを使った炒め物、沖縄の県民食でもある「ゴーヤー・チャンプル」がよく出てきたことと無関係ではない。全国的な高視聴率番組だったことが影響し、初めて実物を見るゴーヤーが、違和感なく受け入れられた。

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