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ポスト「コロナ」イノベーション

技能実習と雇用再構築


こうした動向にショックを浴びせたのがコロナ禍だった。予定していた実習生の入国見通しが立たない。その数は4月から5月にかけて1900人→2400人→2700人と、情報収集が進むにつれて増えつづけた(江藤農水相記者会見での発表データ)。実習生に頼る農業現場では、対応におおわらわとなった。
ちなみに、日本より遥かに外国人労働者に頼る西欧でも状況は変わらない。英仏独伊では、東欧などからの季節労働者計約90万人が入国できない事態に。EUは入国制限を緩和したが、各国政府は国内人材への切り替えを図った。フランスの「偉大な農業軍」キャンペーンには20万人以上の応募があったらしい。米国からはメキシコ人を中心に外国人労働者25万人の対応に苦慮している様子が伝わってきている。

外国人雇用は国際競争の時代になる

実習生を受け入れている産地では3月ごろから代替人材確保に動きはじめる。4月になると、法務省入管当局は、特例とはいえタテマエを放棄せざるを得なくなった。決められた業種以外での実習(就労)などができるようになったのだ。農業労働力確保緊急支援事業として46億円の補正予算も組まれた。
農業関連の労働市場は大きく動いた。他業種からの雇用問い合わせが前年同時期に比べ2倍3倍となったJAも少なくない。同様に、農業求人サイトの登録者数も一気に増えた。農業者個人が独自ルートで手配した例はさらに多いだろう。
こうしてとりあえずの危機回避はおおむねできたように思える。しかし、課題の多くは先送りされた。すでに実習生たちはSNSなどでしっかり情報収集をするようになっている。どこそこは賃金が高いとか、働きやすいとか。しかも送り出し国の経済発展に伴って為替差益は少なくなってきている。もう買い手市場とはいえない。受け入れ側は選んでいただく立場になった。その意味で農業人材獲得には国際競争力が問われることになる。労働環境整備とともに、さらなるイノベーションが求められる情勢となった。

貴重な体験になった代替雇用活動

長野県のJA佐久浅間組合員の実習生受け入れ農家から話を聞いた。高原レタスを中心に4ha経営。今年も予定していた実習生1人が来日できなくなり、対応に追われることに。なお、同JA管内では中国人・ベトナム人合わせて100人近い実習生が来日できなくなった。

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