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土門「辛」聞

“冬のお化け”話で煽る種苗法改正反対派に根拠なし(3)


“冬のお化け”ショーに使ういつものシナリオだ。フェイクの部分もあれば、グレーに近いなと思わせる部分もある。後者は、農業競争力強化支援法のくだり。「コメの種の情報を企業に譲渡させ」というのは、同法8条4項のことを指しているが、鈴木さんの勝手解釈。
同法を主管する生産局技術普及課に問い合わせると、鈴木説を一蹴して「官民で種子の開発の技術交流を深めよという程度のことを述べたにすぎません」という回答が戻ってきた。鈴木さんの「譲渡させ」説が正しければ、譲渡に向けての施行例などがあるはず。それがないというのは技術普及課の言い分が正しい。
実は鈴木さん、東大教授になる前は農水省の役人をしていたことがある。いまでも後輩たちと連絡を取り合い、常に正しい法律の運用についての解釈を確認できる立場にいる。残念ながら、後輩官僚たちは異口同音に「譲渡させ」説を否定、事実でもないことを吹聴して歩く先輩の姿に閉口しているようでもある。

ゾンビのように生き残る公的機関独占態勢

鈴木対策で作成された非公表版、そのプレゼンぶりは知財課が作成したとは思えないお粗末ぶり。鈴木さんに背中を見せるようなプレゼンぶりは情けなさすぎる。これじゃ、逆に鈴木さんにつけ込まれるだけではないか。とりあえず資料を紹介しておく(図1)。
資料にある数字は、フェイクでもなんでもない。事実その通りだ。ただ編集に策を弄したことに問題があった。それを割り引いたとしても、種子あるいは種苗の分野に横たわる問題が具体的な数字でつかめる点は参考になる。
着目すべきポイントは2点ある。ひとつは食用作物で国や都道府県の公的機関のシェアに触れた点、もうひとつは、野菜では種苗会社のシェアに触れた点だ。
食用作物から説明してみる。稲や麦類、豆類のような穀物と芋類のことで、メインは主食の稲。777登録品種のうち、稲は実に500もある。次いで小麦・大麦206。この内訳は非公表版には記載されていない。農水省「品種登録データベース」で調べた数字だ。まずは食用作物から話を進める。
非公表版は、公的機関による開発数が8割もあることが強調されている。これこそ実にナンセンス。そう強調することで、種子法廃止に反対していた鈴木さんに「種苗法改正はお手柔らかに」とメッセージを送ったつもりみたいだ。他の理由はなかなか思い当たらない。
公的機関のライバルとなるべき種苗会社や食品会社等の登録品種はたったの66。これらをもって「公的機関の開発した品種が大きな割合」と言い切るのは、ナンセンスの極み。種子法が廃止されても、都道府県が稲や麦など主要農産物の種子開発で事実上の独占を許した結果の数字で、そういう数字を何の注釈もつけずに並べること自体がおかしいということだ。とくに奨励品種と種子生産圃場の運用で大きな問題がある。

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