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今年の市場相場を読む

コロナに日照不足が重なった野菜類 ニンジン/バレイショ類/レタス類/ネギ

新型コロナが世間を覆って業務用需要を直撃し、野菜に関しては、供給オーバーぎみの安値推移もあった。しかし、西南暖地や愛知、静岡から関東に産地が移り、7月の東北への切り替え時期に深刻な関東産地は日照不足で生育が遅れ、多くの品目が高値推移となった。7月の東京市場の入荷量は関東産の減少になんとか輸入品がカバーしたため、数量は5%程度の減だったが、野菜類は総平均で25%高くなった。高値推移は日照不足による不作状態と業務用需要の低迷との引き算と足し算と、昨年との割り算で「入荷減の相場高」と出た。ただし、単価高は家庭需要の堅調と業務用需要復活のバランスで決まる。

ニンジン 7月に価格高騰で前年2.4倍に、コロナで増えた家庭需要に不作襲う

【概況】
東京市場における7月のニンジン入荷は8%の減で単価は前年の2.4倍のキロ272円。この時期は関東から東北、北海道に移行する時期だが、北海道が前年並みだったのに対して青森が遅れて1割減、千葉が日照不足の影響と切り上がりが早く、前年に比べ半減。国産の入荷減をカバーするため、中国産が前年より2・5倍も多い数量が急遽入荷した。単価が国産の3分の1の中国産が増えたため、単価は「2.4倍で済んだ」という状態だ。
【背景】
ニンジンは、千葉から東北に移行するこの時期にトラブルが多い。生育期が梅雨だということもある。今年の7月には高騰といえる単価になったのは、前年19年の7月がやや入荷が多くて18年より2割程度安かったという事情もある。やはり端境期特有の不安定な推移だった。今年に入ってからのニンジンの推移をみると、1月には1割程度の減で25%高かった。問題は千葉だった。2月には数量は回復したかにみえたが、単価15%高と強気の推移。
【今後の対応】
さて、3月の“コロナ”騒動開始時には、入荷が15%減って単価は64%高とやや高騰ぎみ。4月はそれを取り戻すかのように18%増でもまだ30%高い。5月は8%減で15%高、6月がやはり8%減と続いたため、単価は42%高くなり、そしてさらに減り続けた7月が、単価が2.4倍に爆ぜた。ニンジンは、コロナ関係でいえば増えた自宅食の必需品目で、需要は常に強めで安定していた。そこに日照不足の千葉が不作で、対応し切れなかったのである。

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