ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

Economic eye

ブラジルの国民酒「カシャッサ」の出世史 奴隷の酒から、独立運動で民衆の心をつかみ、カクテルでセレブの酒に

「おっぱいとお尻だらけ」のリオの保養地コパカバーナで「カイピリーニャ」を飲む。これは夢であって、筆者にとって現実ではない。ブラジルは行ってみたい国の一つだ。
ブラジルには、サトウキビを原料とし、その搾り汁を発酵させた蒸留酒「カシャッサ」という酒がある(度数38~48度)。キューバのラム酒と同類だ(キューバのラムはサトウキビ由来の糖蜜から作る)。日本では知名度が低いが、世界ではウオッカ、韓国ソジュに次ぎ3番目に多いスピリッツ(蒸留酒)である。
ブラジルは16世紀、ポルトガルの植民地になり、サトウキビのプランテーションが始まり、それに伴い、アフリカから奴隷が入ってきた。カシャッサは製糖工場で働いていた黒人奴隷によって偶然発見された。サトウキビの搾り汁の泡が自然発酵しアルコールを含んだ液体となり、その液体を奴隷たちが口にしたら気分が良くなった。アルコールは過酷な労働を強いられていた奴隷にとって活力源として無くてはならないものとなった。
18世紀、南東部のミナス・ジエライス州で金が発見され、ゴールドラッシュが起こる。これに伴い、南東部で労働者が増え、カシャッサの生産も当地で増えた。

関連記事

powered by weblio