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特集

種苗法改正 賛成51%、反対24% 本誌アンケートで徹底解剖



◆ まとめ

今回のアンケートで、個人育種家の半数が、国内外問わず自身の品種が被害にあった経験があることが判明した。特に個人育種家は、それに対抗できる時間も費用もなく、泣き寝入りするケースが多いことが分かった。
しかし、種苗法改正における運用上の課題も残る。流通業者がどの程度管理ができるのか、許諾手続きなど実務において誰がどのように労力を負うのか、その点についてさらなる議論が必要だ。

種苗法改正法案の意義 農産品の競争力強化に向けて

※弁護士知財ネット 農水法務支援チーム

〔要旨〕
○令和2年通常国会に提出され、継続審議となっている種苗法改正法案(議案名:種苗法の一部を改正する法律案)は、海外への優良品種の種苗流出という現状に対処し、わが国の農林業の一層の競争力強化を図るための種苗法のバージョンアップです。植物新品種という知的財産の創造にインセンティブを与えて、これを保護し、活用して国内での農産品等のビジネス展開を図る法的インフラを整備するもので、有意義な改正です。
○品種登録制度は、従来品種にはない新しい植物品種(知的財産)を開発し、見い出した者に対する開発投資等を回収するための法的仕組みであって、伝統野菜や品種登録されていない、あるいは既に育成者権の存続期間が満了等している定番品種等のいわゆる一般品種の利用や栽培を制限するものではありません。
○種苗法(品種登録制度)は、農林業の知的財産を巡る権利調整の法律であって、農業政策を規定する政策法とは目的の異なる法律です。平成30年に廃止された主要農作物種子法は、主要農作物の種子の開発や供給に国や都道府県の関与を許容しないというものではなく、地方の自主的な取組にゆだねた方が望ましいという政策決定であり、農林業における知的財産保護等を図る種苗法とは関係ありません。

※ 日本弁護士連合会(日弁連)の知的財産分野の活動を一層充実させるため創設された知的財産法分野を取り扱う弁護士を中心とした専門家の任意団体(理事長・弁護士末吉亙)であって、国内外1000名以上の会員を擁します。農水法務支援チーム等の専門チームもあり、日弁連と連携して農林水産分野の持続的発展に寄与すべく活動しています。

【1 農林水産分野の競争力強化のための種苗法改正の必要性】

わが国の農産品は、ぶどうの「シャインマスカット」等にみられるように、その品質(食味や食感はもとより、日持ちや生産性等も含みます。)の高さから、国内市場のみならず、アジア等の海外市場においても人気があり、高値で取引されるところとなっています。

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