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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第21回(番外編つづき) 日本ワインは成長産業か?(下)自社農園産ブドウが増える マンズワイン小諸ワイナリー(長野県小諸市)

日本ワインの将来展望には、原料ブドウの供給分析が重要だ。ワイナリーの新規参入が続いたが、その背景には生食用から加工用へブドウ生産の転換、水田のブドウ畑への転換、大手ワイナリーの自社畑増設ラッシュもあった。日本のワイナリーは原料ブドウの広域流通の上に成立しており、「ドメーヌ型」は少ない。

3 ワイナリーの規模分布――ガリヴァーからブティックワイナリーまで

(前号から続く)
日本ワイン以外のワイナリー(輸入原料依存)は大規模で、最大クラスの1000キロリットル以上および300キロリットル以上のクラスに分布している。これに対し、日本ワインは全クラスに分布しているが、100キロリットル未満の小規模に集中している(表6)。
国税庁「国内製造ワインの概況」からは、ワイナリー総数は分かるが、日本ワインのメーカー数がいくつかは不明である。
日本ワイン以外の国内製造ワインのメーカーはサントリーやメルシャンなど大手であり、彼らは1000キロリットル未満クラスは少ないと考えてよい(1000キロリットルはフルボトル換算約130万本)。1000キロリットル以上の約7社マイナスα(7社のうち一部は日本ワインのみ製造)、300キロリットル以上~1000キロリットル未満11社のうちの数社、合計10数社であろう。ちなみに、サントリーワインの規模は約3万5000キロリットル(約5000万本)、メルシャンもほぼ同規模である。
これに対し、日本ワインのメーカー数は、サントリーなど大手も日本ワインを造っているから、312社マイナスαと考えてよい(ワイン製造免許者は312者)。恐らく、日本ワインのメーカー数は300以上、312未満であろう。

■典型規模の試算
企業規模は、日本ワインは小規模が多い。その85%以上が最下位クラスの100キロリットル未満である。231社で日本ワイン3885キロリットル生産しているので、単純平均すると、1社17キロリットルである(720ミリリットルフルボトル約2万3000本)。つまり、その多くが1万本から2万本の生産規模と推測される。

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