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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第21回(番外編つづき) 日本ワインは成長産業か?(下)自社農園産ブドウが増える マンズワイン小諸ワイナリー(長野県小諸市)


新しい動きとしては、気候変動に伴い、温暖化対策品種が導入されている。温暖な南フランス、スペインとの国境地帯(ジュランソン地区)の品種「プティ・マンサン」(白ワイン用)など、気候風土が日本に合う海外品種の導入もあるが、国内で温暖化対策の新品種も開発されている。まだランキング表には顔を出さないが、山梨県果樹試験場が開発した「ビジュノワール」がある。

6 ワイン用ブドウの供給体制――農家減少=ワイン原料ブドウの減少にあらず

表10に見るように、ワイン原料用ブドウの供給量(使用量)は、統計上は明確な増加傾向はない。ただし、2013年を起点にすると、年率3%くらいの増加率である。しかし、ワイナリーの新規参入が増え、ワイン用ブドウ価格が上昇している事実から推して、ワイン原料用ブドウの使用量は増えていると考えてよい。
ちなみに、ブドウ生産全体に占めるワイン原料向けは約1割である。17年のブドウ生産量は17万6000t、これに対し、加工向けブドウは1万7600tである(表12)。

■高齢化による生産農家の減少
さて、日本ワインの未来展望においては、この原料用ブドウの供給が増えるかどうかに左右される。悲観的な見方も多い。実際、表10の15年度以降は増大が見られない(本データはアンケート調査によるものであり、時系列比較には限界があるが)。
農水省の統計によると、ブドウの栽培面積(生食用を含む)は減少している。表11に見るように、結果樹面積は1980年の2万7900haがピークで、90年2万4000ha、2000年2万ha、18年には1万6700haに大幅減少した。生産者の高齢化が要因と見られている。
これに対し、加工用ブドウは必ずしも減少しているわけではない。表12に見るように、加工専用品種で見ると、2010年までは減少傾向が続いたが、10年がボトムで、その後、増加に転じている。生食・加工兼用品種も同様な動きであるが、加工専用品種以上に加工向け合計は増加傾向を示している。例えば、兼用品種「甲州」は、生産者の高齢化に伴い、価格は高いが手間暇のかかる生食向けをやめ、ある程度手を抜いてもいい加工用向けに転換しているからであろう。
つまり、ブドウ生産の全体は生食用を中心に減少が続いているが(表11)、加工用向けは農家の高齢化にもかかわらず増加傾向にある。日本ワインの増勢を反映したものだ。

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