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【齊藤義崇の令和の乾田直播レポート】
理想的な播種と施肥とは~省力栽培ありきから、収量・品質を求める乾直に~
- 齊藤義崇
- 第5回 2020年09月23日
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今年は至るところに、新型コロナウイルスの影響が出ている。感染防止対策に徹して、全体に交流を自粛する傾向である。NHKの朝ドラは撮影の中断により、初回からまるまる再放送するという苦肉の策に出た。おかげで気になるシーンを再度見ることができた。
主人公・古山雄一の弟が、家業を辞めて役所勤めになり、養蚕農家にリンゴ栽培を勧める場面だ。新たな挑戦に対して、一度は責任を取れるのかと迫られるものの、農家に「いっちょ、やってみっか!」と言わせる。代かき・田植えが標準体系の稲作に、乾田直播(乾直)の導入を勧めてきた私のライフワークと重なり、ついつい見入ってしまった。
中断しているのは大河ドラマも同じだ。今年の主人公は、これまで長らく名脇役だった本能寺の変を起こしたとされる明智光秀である。過去に放映された大河ドラマで明智光秀を演じた役者がそれぞれ思いを述べた特別番組を組んで、中断期間を凌いでいる。光秀は、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉、千利休など、そのときの主人公によって立ち振る舞いや思想が異なるように設定されているから、歴史好きの私は違った視点で放送再開を楽しんでいる。ただし、苦渋の選択を迫られての企画であることは確かで、満を持して放映再開となった本編の展開に期待したい。
さて、私の経営でコロナ禍の影響を受けたのは、肉牛の値段が下がったことだった。次にアスパラ部門のパートさんが密にならないように配慮すること、最後にこれが一番つらいのだが、人の集まりを自粛していることである。例年、春から夏にかけては、乾直の圃場ミーティングを開いたり、施設を借りて講習会を行なったり、乾直人との交流を通じて心身の英気を充填していたように思う。集まりが大好きな人間にとって、集まれないことは苦痛である。ガレージでの焼肉も家族以外では自粛しており、炭の消費量は過去最低、生ビールはサーバーを持っているのに一度も使用しないまま、夏が過ぎようとしている。
乾田直播に挑戦する乾直人は、いまだ少数派なだけに、有用な情報を持っている仲間の存在は欠かせない。切磋琢磨できる同志がいるかどうかは、継続の鍵になると思う。早くにコロナの対策が行き渡り、自粛ムードが終息し、仲間づくりに必要不可欠な集まりや、対面でのコミュニケーションが復活することを祈るばかりである。
雪国の乾直といえば、長らく省力栽培がテーマだった。作業の手数を減らして、効率を上げよ!という号令のもと、耕起同時施肥などのコンビ作業や、ラウンドアップによる出芽前処理で除草を減らす手法が具体的な方策として打ち出されてきた。早い話が、手間のかかる育苗を止めるのに、ほかの工程で手をかけるのは本末転倒だという方向性で進められてきたのだ。
中断しているのは大河ドラマも同じだ。今年の主人公は、これまで長らく名脇役だった本能寺の変を起こしたとされる明智光秀である。過去に放映された大河ドラマで明智光秀を演じた役者がそれぞれ思いを述べた特別番組を組んで、中断期間を凌いでいる。光秀は、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉、千利休など、そのときの主人公によって立ち振る舞いや思想が異なるように設定されているから、歴史好きの私は違った視点で放送再開を楽しんでいる。ただし、苦渋の選択を迫られての企画であることは確かで、満を持して放映再開となった本編の展開に期待したい。
さて、私の経営でコロナ禍の影響を受けたのは、肉牛の値段が下がったことだった。次にアスパラ部門のパートさんが密にならないように配慮すること、最後にこれが一番つらいのだが、人の集まりを自粛していることである。例年、春から夏にかけては、乾直の圃場ミーティングを開いたり、施設を借りて講習会を行なったり、乾直人との交流を通じて心身の英気を充填していたように思う。集まりが大好きな人間にとって、集まれないことは苦痛である。ガレージでの焼肉も家族以外では自粛しており、炭の消費量は過去最低、生ビールはサーバーを持っているのに一度も使用しないまま、夏が過ぎようとしている。
乾田直播に挑戦する乾直人は、いまだ少数派なだけに、有用な情報を持っている仲間の存在は欠かせない。切磋琢磨できる同志がいるかどうかは、継続の鍵になると思う。早くにコロナの対策が行き渡り、自粛ムードが終息し、仲間づくりに必要不可欠な集まりや、対面でのコミュニケーションが復活することを祈るばかりである。
省力栽培ありきの乾直から次のステップへ
雪国の乾直といえば、長らく省力栽培がテーマだった。作業の手数を減らして、効率を上げよ!という号令のもと、耕起同時施肥などのコンビ作業や、ラウンドアップによる出芽前処理で除草を減らす手法が具体的な方策として打ち出されてきた。早い話が、手間のかかる育苗を止めるのに、ほかの工程で手をかけるのは本末転倒だという方向性で進められてきたのだ。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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