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アルパカファームの経営・労務事件簿

フリーランス活用という経営進化の選択肢

“フリーランスファーマー”が近くの農園で働いている。そんな話を聞いた藤田社長は興味津々。マーケティングや流通など、次の一手に活用できるのではないか。
藤田 千代ちゃん、今年の夏は雨が降らなくて困ったね。
千代 天気や気温は、どうしようもないですからね。でも言い訳はしていられないし、つくづく農業って奥が深いなと実感した夏でした。
藤田 うん。うちは出荷を途切れさせることはなかったけど、年始に立てた目標計画には届かなかった。
千代 逆に今年調子が良い農園なんてあるんですかね?
藤田 いやそれがあるんだよ。同じ市内のサニー農園なんだけど、有機農法で葉物野菜を中心につくっているのにほとんど影響受けてないみたい。社長の武井さんは知ってるんだけど、3年前と比べたら去年、今年と雇用する人の数も倍々になってて、すごく勢いがあるんだよね。
千代 私もサニー農園さん知っています! InstagramとTwitter、Facebookを駆使してますよね。あと若い女性の社員の方がいて、この前の農業女子の会に参加していたのでお話ししました。
藤田 この前の地域の青年会で武井さんに会ったときに聞いたんだけど、きっかけは2年前に前野さんという30代前半の人を雇ったことだって言ってたよ。正式には雇ったわけではなくて、業務委託で契約しているって話だったな。
社員 その話、私もその社員の女性から聞きました! 前野さんはもともと都内の人事系の会社で働いていたそうで、人を育てたり、広告宣伝するのが上手でいつも教えてもらってるって言ってましたよ。
伝法院 藤田社長、千代さん、こんにちは。なにやら面白そうな話をされていますね。
藤田 先生。そうなんですよ。最近調子の良いサニー農園の話をしてまして。どうやらキーマンとなる前野さんという人がいるらしくて。
伝法院 私も前野さんのことは数年前から知っています。彼はまさに新しい働き方を実践していますよね。自分の畑を持たず、興味のある分野の複数の農園で仕事を受け持つ“フリーランスファーマー”で、欧米では少しずつ増えてきている働き方なんですよ。
千代 なるほど、社員でもバイトでもパートでも、コンサルタントでもない関わり方があるんですね。ずっと気になっていたんですよ。

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