ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

猛暑とコロナが8月の野菜高招く キャベツ/トマト/小ネギ/セルリー

7月の曇天続きから一転し、8月は猛暑になった。野菜の生育にはアッパーからストレートとダメージが大きかった。平均単価は7月が前年より25%高かったのに続き、8月は28%高くなった。前回紹介した加工業務用需要も夏場の家庭需要も高いレタスは26%も入荷が減って6割高になったほど。小売では1玉300円近い価格になっても、猛暑対策で熱中症も心配、夏休みでも外出自粛などと、家庭用で生食できるから強含みは続いてきた。この天候推移では野菜の入荷減と単価高は必然だが、高騰、暴落の原因となる業務用需要など、コロナ関連との綱引きはどうだったのか。

キャベツ 小売で1個300円超える高騰続く、引き続き強い業務用と家庭の需要も

【概況】
東京市場における8月のキャベツの単価は、高かった4~5月より7%減り、はるかに高いキロ166円となった。7月より68%、前年より66%高い。小売店頭価格は消費税を含めると1玉320円を超えた。春の高値は冬産地・愛知の切り上がりが早く、それに対して関東産が不足分を補完できなかったから。7月は長野産が振るわない分を主産地・群馬がカバーしたが、8月も長野が回復せず、群馬も出疲れもあって入荷が減った。
【背景】
キャベツは、周年にわたって需要があり、業務用でも家庭用としても必需・常備野菜である。本来、冷涼な気候に合う作物であり、寒玉や雪下キャベツなど冬に美味しい野菜だ。夏野菜としてのキャベツは、群馬から長野、東北の産地から供給されるものの、生育期7月の日照不足と、8月に入ってからは突然の猛暑。そこに、コロナ関連で、引き続いた外出自粛で家庭食として必要な一方、外食も一部解禁されたことで、7月よりも業務需要は強くなった。
【今後の対応】
9月は例年まだまだ群馬が8割近い主産地であり、今年も十分に供給能力はある。問題は、昨年は作柄が良くなかった長野のカバーに、北海道や東北、さらに茨城、千葉など関東産地が出荷を増やしたが、今年は猛暑で出荷の余裕がない。9月上旬には遅れていた産地がやや追いついていたが、秋以降に例年は数量を増やす関東勢が今年は未知数。コロナ事情にも慣れて需要面での対応はほぼ見通しがつくが、猛暑が生育にどう影響したかまだ見えない。

関連記事

powered by weblio