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多種類になっているのは取引先の量販店が求めるから。コメと違って野菜はJAではなく、市場と量販店に出している。ただし、量販店に関してはJA産直部会が運営するインショップにも出荷する。量販店からは棚を空けないように言われている。種類が少ないと天候の影響などで品切れする恐れがあることから、自然と種類は増えていった。
目下、力を入れているのは大葉の栽培。周囲で作っている農家は少ないうえ軽量なので、肉体的な負担は少ない。女性が多い職場なので大事だ。
受け継がれる
正洋からそんなことを一通り聞いたら夜になっていた。これから車で近くの飯塚市地方卸売市場に車で出荷するというので付いていく。その帰路、正洋は地域の農業が直面している事態について打ち明けてくれた。それは農地の転用問題。福岡県では201号八木山バイパス(笹栗IC~筑穂IC)の区間の工事が進んでおり、これに伴って合屋家の周辺でも都市開発が始まっている。当然ながら農地転品切り用の話は絶えず、周囲の農家の多くは、後継者がいないこともあって、次々に農地を転用している。コメや野菜を作るのではなく、転用して儲けるのが当たり前の雰囲気になってきているそうだ。
飯塚市で経営面積が広い合屋家にも当然ながら転用の話はいくつも入ってきている。ただ、正洋はすべて断っている。理由は「そうやって育ってきたから」とのこと。
「お金はきついことで、頑張ったことで得るものだと父から教えられてきた。だから土地があるから金が入るという考えはないですよね。農地は貸してしまえば終わり。そのまま農地に戻らないですよ」
合屋の教えはてっちゃんの教えでもある。「やくざの親分みたい」だったという祖父の気質について、家族は正洋のことを「だんだんと血が薄まってきて、一般人に近くなった」とはいうものの、受け継ぐべきは受け継いでいるのだと感じてうれしかった。 (敬称略)
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