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特集

外国資本による土地買収

グローバル経済の下、国際的な不動産売買が自由化されて久しい。外国資本による土地買収により経済活動が活発化する期待がある一方で、二つの弊害が生まれている。ひとつは過疎地域の土地が買収される安全保障の問題。もうひとつは地域が土地を活用した産業の主導権を失う問題である。日本には諸外国にあるような土地の「所有権」の規制がない。国は自由経済と安全保障との間で揺れ、地域は資本と過疎との間で揺れている。 グローバル経済において他国と対等にわたり合える真の力とは何か。本特集では、状況を把握するとともに、いま国、地域、農業者はどうしたらよいのか、識者の解説と読者らの意見を交えて考える場としたい。(まとめ/平井ゆか)

次世代に地域産業の主導権を残す「外国資本による土地買収」解説/平野秀樹氏

平野秀樹教授は2008年から10年にわたり、外国資本による土地買収の実態を調査してきた。外国居住者や外国法人が日本の土地を買収することは国際協定により合法だ。しかし、平野教授は土地の所有権が外国に移ることに疑問を呈している。土地買収が進むことにより、将来直面する問題とは何か。

【土地売買の状況】

Q 平野先生が外国資本による土地買収の調査を始めたきっかけは何ですか?
A 2008年に、外国人が鳥取県や東北地方の山を買っていると聞いたことです。林業は儲からないのになぜ山を買うのだろうか、林業とは別の目的があるのではないかと思いました。自分でも三重県の事例を確認したので調査を続け、国にも調査することを訴えてきました。

■買収面積は推計10万ha

Q 国の調査はいつから始まったのですか?
A 国交省と農水省が10年に「外国資本による森林買収」の調査結果の発表を始めました。
Q これまでに、どのぐらいの規模が買収されているのでしょうか?
A 国が調査を始めてから把握している数字は、表1の通り、農地46.7ha、森林7560haです。しかし、私の見立てでは、森林、農地、太陽光発電用地、リゾート地を合わせると、過去10年で累計10万haくらいになります。例として太陽光発電用地の根拠を説明しましょう。太陽光発電は11年から急増しました。国が認定した太陽光の発電量から土地面積を割り出すと、国内外合わせて約20万haになります。九州の自治体にヒアリングしたところ、このうちの4割弱は外国資本又は外資系が買収した土地だとわかりました。全国では3割だとすると、およそ6万haになります。他にゴルフ場、ホテル等のリゾート地などの買収も3万~4万haと推定されますので、買収された面積は総計10万haと見込まれます。農地の統計は17年からですが、実際の累計は(元農地を含めて)この統計とは桁が2つほど違うと推計しています。
Q なぜ統計より森林や農地の買収が多いと推測しているのですか?
A 買収されていることがすでに周知されている対馬や奄美を抱えた自治体は、今も外国資本による山林買収はゼロだと国へ報告しています。北海道の農地も外資買収は函館以外にはないと公表されていますが、そうでしょうか。国の統計から漏れている件数のほうが多いと言えます。未届出や名義を変えた買収が相当数あると推測しています。

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