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コメ輸出の付加価値は高まるか 商品別コメ輸出の可能性検

世界のコメは成長産業である。日本ではマイナス成長が続き、主食ではあるが、衰退産業の仲間入りをしている(注:個別経営では規模拡大により大発展している生産者も多い)。日本の常識は世界の非常識の典型だ。国内市場の縮小が続いているので、海外の新市場開拓への期待が高まっている。その一つが「加工品」としての輸出だ。本稿ではその可能性を検討するための基礎データを提供したい。

[1] 世界のコメは成長産業

日本のコメ生産量(玄米)は、1960年代には1200万t台もあったが、2018年は779万tに低下した(19年は776万t)。1人当たり消費量の低下が続き、加えて人口減少の影響も出ている。1人当たり消費量はピーク時1962年度の118kgから、2016年度に54 kgに低下した。
これに対し、世界のコメ生産は精米で約5億tあるが、図表1に示すように、この30年で50%増加、50年間で約2.5倍に増えた(日本はこの間マイナス成長、4割減)。
世界のコメ輸出(精米)は、1961年の570万tから、2018年には3700万tへ6倍以上に拡大した。輸出金額は61年6億2500万ドルから、18年215億2900万ドルへ、34倍の増加である。生産より輸出の伸びが大きいから、伝統的にはコメを食しない人々(コメ非生産国)がコメを食するようになったことに伴い、貿易が増え、生産が増大したと考えられる。欧米諸国では「ヘルシー」が評価され、コメ消費量が伸びている。
コメ価格の動向も、世界と日本は対照的である。図表2に示すように、精米の世界輸出価格は上昇してきた。1t当たり輸出価格は61年の109ドルから、18年には582ドルに上昇した。これに対し、日本の米価は70年の8272円から、90年には2万1600円に上昇したものの(ピークは93年2万3600円)、その後低下に転じ、18年は1万5688円である(ピーク比マイナス34%)。日本のコメは生産減少、価格低下の趨勢にある。
生産、消費、輸出、価格、いずれの指標で見ても、世界のコメは成長産業である。日本とのコントラストが明瞭である。日本は「瑞穂の国」と称して、いまだに自らを「コメ大国」と思っている人が多いが、じつは日本は「コメ小国」に近い。
図表3に示すように、日本の生産量は780万tであるが、世界には1億t以上の国が二つもある。中国1億4673万t、インド1億1800万t。続いてインドネシア3850万t、バングラデシュ3585万t、ベトナム2830万t、タイ1850万tと続き、日本は780万t(9位)である。米国も586万t生産している(12位)。筆者が40年前から指摘してきたことである。

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