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土門「辛」聞

高額概算金で赤字を出しても農家に“損失飛ばし”で帳尻合わせ

20年産の新米相場の口火を切ったのは、全農にいがた。お盆明け直後の8月17日、県内JAに示す「JA概算金」は、上越地区から下越地区にかけて栽培されるスタンダードな「コシヒカリ」一般は、1俵(60 kg・税込み)で1万4000円。19年産より900円安く、下げ幅は6%。前年を下回るのは6年ぶり。
その翌日、千葉最大の集荷激戦地に本拠を置くJAかとりが、生産者に示した「生産者買取価格」を通知。収穫期が早い「ふさおとめ」と「あきたこまち」でいずれも1万2600円。ただ下落幅は違った。前者は1200円で8.7%、後者は1400円で10%。競合産地があるあきたこまちの方が下げ幅を大きくしたようだ。9月1日に決まったコシヒカリは1万3000円。あきたこまちと同じく1200円ダウン。下落幅8.5%だった。
どちらが相場実勢を反映しているか。紛うことなくJAかとりの方だ。ここは全農ちばに頼らず米卸などと直接取引。買取価格なので、当然、買い手の卸などと価格を相対で決め、売れ残りがないようにしていたからだ。

20年産JA概算金はアテにならない

概算金と買取価格の違いについて説明しておこう。概算金は仮渡金とも呼ぶ。最終価格を予想して、その9割以上を出荷前に支払う。年末に1回目の精算があり、最終精算が翌年に繰り越すこともある。ここ数年、1回目の精算では数百円程度の追加払いがあった。下げ相場で概算金を高めに払った20年産は、早くも追加払いはないと生産者は諦めた。

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