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今年の市場相場を読む

地下茎の野菜 今年の事情で影響は サトイモ/レンコン/ゴボウ/ナガイモ

今年は、夏秋野菜の生育~収穫期である7月は曇天続き、8月は記録破りの猛暑で作柄に大きな影響が出た。一方、コロナ禍による消費者、とくに勤め人や学生の外出制限などの巣ごもりで突発的な消費需要が発生した。小売店が盛況で売れ行き好調となる反面、外食産業全般や観光分野の大不振で野菜の需要構造が大きく変わり、品目によって需給バランスや相場が想定を越えて迷走した。葉物や果菜類と比べれば比較的天候異変には強い根菜類や土物も、ニンジンが不作状態で高騰したが、他品目での生産面の豊凶と需要の強弱のバランスがどんな推移をたどったのか検証してみよう。

サトイモ/シーズン入りも主産地・埼玉が不調 全県集荷体制整う愛媛に存在感

【概況】
東京市場のサトイモの入荷推移は、2~4月期に前年より多かったものの、5~6月に減らした。ところが、天候異変下でも関係なく7~8月は入荷が増えている。不需要期の夏としては異常な出方だが、前進出荷されて切り上がりが早いという感じが強かった。新物が出回りだす9月には、例年は入荷が少ない8月対比で2倍になっても不自然ではないが、8割程度しか増えてない。シーズン入りとしては不足感が強かったことから、単価も下がらなかった。
【背景】
主産地は埼玉でほぼ半数を占める。これに続き千葉が22%ある。夏場は鹿児島、宮崎などに存在感があり、通常のサトイモの煮物というより、衣被きイモにする子芋のシーズンだ。それゆえ、9月からは東日本のシーズンインとなるが、7~8月の生育期の異常気象が主産地・埼玉に大きな影響を与えたらしい。通常であれば9月からは、関東産を中心に一斉に東北産の入荷があるはず。しかし、主産地・埼玉が2割以上少ない。
【今後の対応】
まだ地味ながら注目すべきは、9月から春まで愛媛産が入荷していることだ。昨年9月は5%のシェアが今年は7・4%に増えた。昨年10月の実績はシェア6%、11月8%、12月11%と増やしている。入荷増は偶然ではない。全農が同県内に整備したサトイモ専用の広域選果施設。全県から土付き、根付きの状態で持ち込まれ、機械洗浄から選別、荷造りまで引き受ける。ロットが大きく安定出荷できる体制が整った。各地に広がれば中国産は不要になるかもしれない。

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