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今年の市場相場を読む

地下茎の野菜 今年の事情で影響は サトイモ/レンコン/ゴボウ/ナガイモ



ゴボウ/9月のシーズンインに勢い足りず 青森は秋以降の供給責任を自覚

【概況】
東京市場に入荷したゴボウは、1~3月期に前年比最大3割近く増えたことで、前年より最大47%も安くなった。九州地区の春ゴボウの入荷が増えたという事情もあるだろう。5月から始まり、曇天続きの天候不順だった7月まで前年を下回る入荷が続くが、減った割には単価はあまり高くない。新物が出回りだす9月には通常は一気に増えるものだが、8月対比で昨年は2倍近く増えたものの、今年は34%程度の増加にとどまり、勢いがない。
【背景】
9月は例年青森産が半分以上を占める月だが、なぜか青森は8月に前年比3割増と前進させ、出回りが増える9月を意図的に少なくした感もある。昨年9月の単価と比べると今年は3割近く高くなって作戦は成功したかのようだ。数量の足りない分を茨城産と埼玉産が前年2割増でカバーしているが、今年9月は青森、群馬のツートップがシーズンインにもかかわらず、半数近く減らしたことはやはり現実的には生育時の悪天候が影響したものとみていいだろう。
【今後の対応】
同じ根菜類、土物類のなかで、9月から増え始めて12月にピークを作る品目は、サトイモ、レンコン、ゴボウである。根物は体を温める機能性があるといわれ、やはり冬が需要期であり、また正月のお節料理を代表する「和食」の材料である。今年はコロナ禍で外食も旅行もままならなかったため、正月用のお節料理は盛況になると予想される。主産地・青森は、本格的な需要期を控えて供給責任を果たしてくることは間違いなさそうだ。

レンコン/コロナの需要減で入荷減っても強気配 根強い地場生産 原発がらみで新産地

【概況】
東京市場のレンコンは、今年は年明けから7月に至るまで入荷減の単価高状態が続いた。4月などは前年より数量で3割近く減り、単価も35%高くなった。これは本来なら4月の宴会絡みの需要期が、コロナ禍であらゆるイベントの中止状態を受けての入荷減と、品薄を警戒する業務筋の予備的な手当てが引き起こした現象である。以降、8月までの不需要期はさらに入荷が減ったが、単価は強含み推移だったのも同じ理由だ。
【背景】
レンコンは、茨城が主産地として92%もの圧倒的な大きなシェアを持っているが、一方で地方では地場野菜としてのレンコンが健在である。東京市場には全国22県から入荷していることでもそれがわかる。地域特産品としてのレンコンは当然、地場需要がついており、ある意味、茨城産はナショナルブランドであり、地域には地元に支えられたプライベートブランドがあるような感じでもある。そのため、東京市場がひっ迫すれば、それなりの出荷潜在能力がある品目だ。

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