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新・農業経営者ルポ

1haで儲ける方法を見つけた農業のアウトロー

わずか1haで数千万円を稼ぐ農業法人が香川県高松市にある。(有)コスモファームだ。会長で長年農業コンサルタントを務めてきた中村敏樹(64)が2010年に農場を開いた。年間300もの品種を栽培する多品目少量栽培で加工まで手がけ、加工によってはニンジン1本が3000円近くに、ピンポン玉大のジャガイモが1個150円ほどに化ける。小さくても儲かる農業を実践してきた。 文・写真/山口亮子、写真提供/(有)コスモファーム

1haあれば儲かる農業を

「私なんて農業でいったらアウトローだから」
中村はこう断言する。追求するのは市場の規格と価値観の逆張りだ。一つの品目を大きいロットでドンと出すのではなく、年に300品種をも栽培し、普通なら規格外になるものまで商品として生かしきる。
高松市内のコスモファームの本社を訪れると、倉庫脇にレタス、ビーツ、ベビーリーフ、スイスチャードなど20品種近くの苗が置かれ、定植を待っていた。栽培する種類が多いため、常に何かを収穫しつつ、何かの苗を植えているのだ。歩いて5分ほどの、住宅と田畑が入り混じったところに50aの圃場がある。案内してもらうと明らかに周囲の畑とは異なる一角に着いた。
周りの圃場は一面に稲穂が揺れているか、ブロッコリーやアスパラガスといった品目が1枚の畑の全面で栽培されている。ところが、この4枚の畑には、カリフラワーや西洋菜花など30品種もが植えられているのだ。1本の畝に何品種も植わっているため、畝の色が黄緑、紫、緑……と途中から変わっていく。まだ定植後間もない苗が多い状態でもその差が目に付き、成長すれば畑が鮮やかなパッチワークのようになるに違いない。
9カ所に分散する畑は合わせて1haにしかならない。中村と家族合わせて4人に社員1人、パート4人の計9人で、畑を細かく管理し、加工も手がける。後述するように「消費者の口に近いところまで持っていく」工夫をし、出荷する。そうして反当たり300万円近い売り上げを確保しているのだ。
「香川はよく五反百姓という。日本の土地の7割は中山間地。そういうところの農家が儲かる仕組みを作っていかないとダメだよね」

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