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新・農業経営者ルポ

1haで儲ける方法を見つけた農業のアウトロー


中国産野菜は危ないというイメージがマスコミにより喧伝された時期で、契約の打ち切りが何度か続いた。物流の限界を強く感じたという。その後、福島県や千葉県などでトマトや大葉の生産のコンサルを手がけることになる。

多品目少量栽培を高松で

コスモファーム誕生のきっかけになったのが千葉県だ。コンサルの対象は、大葉の栽培だったものの、コンサルを務める会社から耕作放棄地を借りてほしいと頼まれた。多品目栽培に関心があり、実験のチャンスかもしれないと3haを借りる。
中村は当時から日本野菜ソムリエ協会の講師を務めており、その生徒たちや仕事仲間と共に野菜を育てた。まだ一般にあまり流通しない希少な野菜を作ったところ、育てるのも面白かったし、飲食業に携わる人に関心を持ってもらえた。収穫した野菜は週末にマルシェで販売した。
クズもの扱いされる野菜をどう売るかにも試行錯誤した。加工の方法として考えられるのは、塩蔵、酢漬け、乾燥だ。塩蔵だと漬け物で、競合が多い。乾燥させると、見た目がどうしても悪くなりがちだ。酢漬け、つまり野菜のピクルスなら、そのまま食べられるし、見た目もいい。こう考えて自ら夜なべして作ったピクルスはのちに人気の定番商品になる。
少量多品目栽培と、生産物を無駄なく使い切る加工もするという方向性が見えてきた。
「これが自分の畑でできたら面白いだろうな」
この思いを強めていくことになる。とはいえ、中村はコンサルやマルシェの立ち上げなどに忙しく、「これだけ家を出ていると、自分で農業はできない」。ちょうどそんなタイミングで、大阪のデザイン事務所で設計の仕事をしていた長男の裕太郎(35)が、高松で「農業をやる」と宣言したのだった。
高松の農地は狭い。やるなら多品目少量栽培しかないだろうということで意見が一致する。こうして2010年、点在する圃場を借りて生産を始めた。

野菜の売り方は自分で決める

年間300種という品種の多さもさることながら、その売り方にも大きな特徴がある。マルシェやデパート、飲食店などに向けて販売する商品は、見た目が鮮やかでつい手を伸ばしたくなるものや、意表を突く外観のものが多い。
たとえばこんなふうに売っていると見せてくれた写真には、鮮やかな紫色の花をつけた緑色の丸い野菜が写っている。はて、なんだろうと首をひねっていると、アーティチョークだと教えてくれた。地中海沿岸が原産で、和名が朝鮮アザミのアーティチョークは、アザミの花に似た、鮮やかな大輪の紫色の花を咲かせる。

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