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特集

農業に規制改革を! 前編 72%が弊害ありと感じた現行の規制と縦割り行政


生産者

■農業委員会の見直し
農業委員会とは、農地法に基づく売買、賃借の許可や農地転用案件への意見、遊休農地の調査等の農地に関する事務を執行する行政委員会として市町村に設置されている。ただ、その手続きが煩雑だ。農業委員会には、紙や複写式の紙で申請しなければならず、法人化した際の土地の移行手続きについても、1地権者当たり4枚(筆が多いと8枚)の解約書が必要だった。その上、法人としての通常申請も求められる。持ち株比率が100%同一の場合は、書類1枚で完全に名義変更できる仕組みを作ることを求める。また、農地ナビなどのデジタル化されたデータベースが存在するので、農業委員会と農地中間管理機構の業務を最小化してほしい。

■隣接する市町村で土地の利用権を共有
農業経営基盤強化促進法に基づき、農地の利用権を設定すると、制度上は農地法の許可が不要で土地の貸借の手続きが簡易だとされている。しかし、実際には利用権を設定しても行政区をまたぐと営農計画書に反映されず手間がかかっている。大規模法人の場合は、市町村をまたぐことは容易に考えられる。そこで、隣接する市町村の利用権データベースを共有し、事務作業の自動化を促進し、農家側の手間を軽減してほしい。

【その他農業委員会についての提言】
・農業委員会委員の選出が不透明で、審査以前に委員が決まっている状態だ。審査は「アリバイ作り」が実態であるため、委員の顔ぶれがいつも同じ老人で、農業が本来あるべきものを目指す若者が農業委員になれない状態が続いている。
・農業委員会系列、農業会議所系列、農政課系列など、農家が参加すべき組織が多すぎる。それぞれがグループを作りたがるので、農家は時間を取られている。
・現在、農業振興地域でトマトを栽培している。今から10年前に観光トマト狩りと軽食と直売所を開設するにあたり、農業委員会に相談したが、農政課と都市計画課の3カ所を2年間たらい回しされ、結局許可が下りなかった経緯がある。県内で初めて異業種から参入した農業法人だったので、嫌がらせを受けたのかもしれないが、戦う気力も失せた。その2年後には、隣の農地(農業振興地域)に半年で許可が下り、老人ホームが開設された。当社はトマト栽培を通じて地域農業の活性化のために相談したのにも関わらず、農振地域に農業と全く関係のない、老人ホームに許可が下りるのは理解できない。農業委員会、農政課、都市計画課ともに行政には憤りしか感じていない。

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