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今年の市場相場を読む

猛暑の8月に果菜類が受けたダメージ キュウリ/トマト/ナス/ピーマン

果菜類の11月は関東産地の終盤であり、東海や西南暖地に全面的に切り替わるにはまだ早いという端境期である。生育期の7月は日照不足、一転8月は記録破りの猛暑で上旬には極端な入荷不足となった。9月にはその後遺症が残り、10月上旬で遅れを挽回したようにみえた。しかしまた減少に向かい、単価も高値含み。7月の曇天続きはなんとか乗り越えたものの、8月の猛暑時に定植されたものを含めて、シーズン後半は前半のボディーブローが効いている可能性がある。冬春産地にしても、今年のような猛暑は想定外。暑さに強いはずの果菜類の生産環境の、昨今の異常気象を踏まえた見直しが必要だ。

キュウリ/暑さに強いが日照不足と猛暑は敵に 施設園芸も寒さいかんで不足高騰も

【概況】
東京市場では、10月に入ると中旬に向けて単価が400円を超えた。7月の日照不足を受けて、8月上旬には野菜全体の入荷量が近年になく減少。平均キロ単価も350円近くまで高騰したが、下旬には遅れていた分を取り返して、8月全体では昨年並みに。9月は前年並みだったが数量は漸減状態で、強気配。10月に入ると遅れを取り戻し気味に増えたものの、9月からの強もちあい推移を引き継いで、中~下旬に400円を超えたのだ。
【背景】
要因としては、8月には本番を迎えるはずの東北~北海道にかけての夏秋野菜が、とくに日照に敏感な果菜類を中心に大きく遅れ、キュウリも7月中から強含みだった相場が8月上旬に弾けたのである。ただし果菜類は生育が早いハイシーズンであり、東北産も下旬に向け遅れを取り戻してくる。9月も基調は引き継がれたが、東北産地が減り始め、10月、関東産につながるべき端境期に、関東が増えず、東北産も終盤で数量なく、単価は前年4割も高くなった。
【今後の対応】
10、11、12月に入るまで主産地は関東である。中心産地の埼玉・茨城は8月の猛暑のダメージが残ってはいるが、10月は下旬に向けて好天が続いており、生育は回復した。関東産地には供給に余力があり、あまり心配しないが、12月以降の宮崎・高知など西南暖地の作柄は気になる。とくに高知は今年の8月には高温障害が多発して、周年栽培のミョウガなどに大きな被害を受けており、冬に入っての冷え込みいかんでは、不足・高騰の事態もありうる。

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