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例えば、医薬と食品では、保健機能食品という取り扱いがあり、中間的な補完制度が存在する。欧州などではバイオスティミュラントとして、農薬と肥料の間を受け入れる制度が広がっている。しかし、日本の農薬と肥料の認可制度には大きな差がありすぎる。
農薬と肥料の認可制度の大きな差は、まず農薬の登録に時間と費用がかかること。一般的に数億円の費用と、期間が5年かかる。逆に、肥料は県に届け出で済み、10万円、2カ月程度だ。
それぞれ農薬取締法と肥料取締法による規制があるが、農薬は一般には非天然物であり、人畜に及ぼす短期・長期の安全性、および環境中(残留性)などの安全性も求められる。肥料は新規化合物がほとんどない(価格から考え、ほとんどない)ため、農薬ほど煩雑ではない。
また、確かに認可制度が設けられているが、日本では天然物で総合的な安全性がほぼ保証されているものへの対応が不十分だ。
その上で、欧米で認められつつある機能性肥料を認める制度を整備するのも一つの手だ。しかし、デメリットもある。天然物まがい物が横行している現状を取り締まれないことだ。
【ケース3 農薬のマイナー作物への適用拡大に大幅な規制緩和を/農業関連企業50代会社員(東京都)】
農薬の登録制度におけるマイナー作物への適用拡大について、各作物での薬効薬害試験は当然必要だろう。しかし、残留農薬試験による残留農薬基準値の設定は類似作物のデータ活用や、そもそも健康影響を与えないレベルの一律基準値としてマイナー作物に付与すれば済むはずである。原則論で試験をしており、試験機関の負担は増大し、農家や消費者にも全くメリットはなく、大幅な規制緩和が必要だろう。
【ケース4 グリホサートやネオニコチノイド等残留の規制緩和の懸念/匿名】
グリホサートやネオニコチノイド等残留の規制緩和について、残留基準値が緩和され、蕎麦は改定前0.2ppmが改定後30ppmになった。科学的に安全なのかもしれないが、その他品目においても改定後に基準値が増えているものが多いのに、ニュース等では一切報道されず、公的な発表や農協等を通じての説明会も開かれず不安を感じた。
欧米では多くが、これらの使用禁止や販売禁止の流れとなっている。その反面、南米やアフリカ、アジア・日本においては使用拡大となっている。すべて欧米と同じような基準にすれば良いとは思わないが、国内でなぜ規制緩和され続けているのかを科学的に説明等きちんとするべきだと考える。そして、それをニュース等できちんと報道するべきだ。農家だけでなく、一般の方にもより関心を持ってもらうための努力を国がするべきである。グリホサートやネオニコチノイド等は、大規模営農においてはやはり必要と考える。だからこそ、使い方や残留基準値等を見直し、きちんとした使い方、タイミング等を伝えてほしい。
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