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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第23回 反逆のワイナリー 雨の多い宮崎でワイン造り (株)都農ワイン(宮崎県都農町)


都農ワインのHPや資料(例えば“TSUNO WINE BOOK”)を見ると、「年間降水量は4000mmを超え、土壌は火山灰土壌…」とブドウ栽培に悪い条件が強調されている。しかし、アメダスによると、都農の降水量が4000mmを超えるのは2012年4470mmのみである(2番目は19年3791mm、3番目は18年3752mm、4番目は13年3484mm、10年平均3338mm)。「永友百二スピリッツ」(チャレンジ精神)を強調するためであろうか、「悲劇のヒロイン」を演出しているのではないかと思われる。
確かに、都農の自然環境はブドウに不利な点もあるが、水はけや日照時間のように有利な点もある。不利を克服し有利さを活かせば、良いワインができる。そのテロワールの良さを引き出すのが人の役割である。

[2]風と太陽の台地に都農ワイナリー――定説にとらわれない新しい栽培方式

都農町(人口1万人)は、宮崎県央の日向灘沿いに位置し、西には尾鈴(おすず)の山並みが連なり、東は黒潮流れる太平洋が広がる農業地帯である。温暖な気候が好条件となり、年間を通して野菜や果物が生産され、また和牛や養豚を主にした畜産が盛んである。西隣の川南町と都農町の生産者でJA尾鈴をつくっている。
都農ワイナリーは、標高200mの牧内台地にある。牧内台地は独立した丘になっており、見晴らしが良く、都農町が一望できる。地元産のブドウのみにこだわってワインを造っている。カフェが併設されており、訪問客が年間11万人に上るのも、見晴らしの良さが奏効しているのであろう。
原料ブドウの供給源は2ルートある。一つはワイナリーと同じ牧内台地にある自社農園(9.5ha)である。標高250mの山の上のブドウ畑である。シャルドネなど、ワイン専用品種を栽培している。
もう一つは、地域の生産者(農家40軒)からの購入ブドウである。生産者の畑は、松林の防風林に囲まれた海岸沿いにある。生食用のキャンベル・アーリー、マスカット・ベーリーAが主体。生食用ブドウを加工用に回していることになる。もともと売れ残りをワイナリーに引き取ってもらっていることもあって、ブドウ価格は1kg250円である(生食向け出荷は500~1000円)。
牧内台地の圃場には、シャルドネ、ピノ・ノワール、テンプラニーリョ、シラー、ソーヴィニョン・ブラン、甲州などが植えてある。雨の少ない山梨県勝沼が得意とする「甲州」もあるのに驚いた。小畑社長によると、技術的にどのくらいのところにあるか試したいとのこと。良いところまで来ているようだ。実際、IWC2019年では同社の甲州が銀賞を受賞している。

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