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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第23回 反逆のワイナリー 雨の多い宮崎でワイン造り (株)都農ワイン(宮崎県都農町)


都農ワイナリーはこの気難しい品種に挑戦している。2010年に導入し、少しずつ畑を増やしている。高温多湿な地域では難しいと言われているが、雨の少ない時期に栽培すれば良い品質になると考えている(都農のピノ・ノワール収穫時期は8月初旬)。
小畑社長はブラジル駐在の経験があり、暑いブラジルで良いピノ・ノワールができていたことを知っている。ブラジルは石灰土壌だ。堆肥を使った土づくりを行ない、ブドウの根がミネラル豊富なチャート層にたどり着けば、ブラジルと同じ条件になるというのだ。土づくりと8月初旬の早期収穫で、気難しい淑女を制御するわけだ。
現段階は、数年に一度は良いワインができている。ピノ・ノワールっぽくない、果実味の強いワインになっているようだ。カシスの香りもするので、カベルネソービニヨンに近い味のワインができているらしい。赤ワインだけではなく、瓶内二次発酵による白のスパークリングワインの原料としても魅せられているようだ。夢を馳せているが、まだ挑戦が始まったばかりである。

[3]土地の個性を表現するワインを造る――都農はブドウ栽培の不適地にあらず

■果実味豊かなワイン
都農は気温が高く、梅雨明けから9月までは全国的に見ても日射量の多い地なので、ブドウは一気に糖度が増す。太陽の恵みが果実味豊かなワインを造る。収穫時の気温は30度、夜も暑い。酸味が少ないトロピカルな味だ。
ピノ・ノワールは仏ブルゴーニュが本場であるが、今は世界中に広がっている。しかし、どこもブルゴーニュとは違う味だ。都農には、都農のテロワールが存在する。香りがきれいで果実味が豊かである。社長&醸造家である小畑暁氏は「醸造家の役割は、そのテロワールを導き出すことだ」と語る。牧内台地の個性を表現するワイン造りに情熱を燃やしている。
ブルゴーニュと味が違っても構わない。都農のテロワールのピノ・ノワールができればいい。その土地の個性を表現するのがいいワインだという考えである。香りがきれいで果実味が豊かなワインで何が悪いのだということであろう。ブルゴーニュのピノ・ノワールではなく、「都農ピノ・ノワール」である。(あとは消費者の選好であろう)。
小畑氏は、都農はブドウ栽培の不適地にあらず、と考えている。都農は太陽の恵みがある、台風が来る前に収穫できる、チャート土壌層に根が届けば豊富なミネラル分がある。つまり、早生品種を導入し、土づくりで根がチャートに届く環境をつくればいい。ブドウ栽培に悪い条件を克服し、良い条件を作り出せばよい。チャートという宝物を探し当てたように、人の手で新しいテロワールを創り出せばいい。要するに、「人」である。

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