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スマート・テロワール通信

小麦の美味しさを麺・パンにつなぐ製粉業が参画、庄内

小麦が麺やパンの原料として流通するには1次加工の製粉が欠かせない。庄内スマート・テロワールでは(株)小川製粉の参画により2020年12月、初めて山形県内で庄内産小麦を製粉した。域内流通の環境が整ったことにより、庄内産小麦の品質向上、需要喚起、生産拡大が好循環する道筋が見えてきた。
小川製粉が20年12月、庄内産小麦を製粉して小麦粉の販売を始めた。これまで庄内スマート・テロワールの活動では山形県外に製粉を委託し、ラーメンや麦きり、パンを提供する飲食店に供給し、加工の実績をつくってきた。20年度産の収量が小川製粉の最小ロットに達したのを機に山形県内での製粉に踏み切った形である。域内で生産から製粉、加工、販売までがつながったことにより、今後、本格的に「庄内スマート・テロワール 庄内産小麦」として流通させていく。
今回、製粉を担当した小川製粉の小川祐史氏(35)に話を聞いた。

それぞれが役割を果たし地域で連携する

小川製粉は1947年に創業した山形県唯一の製粉会社である。小麦粉のほか、小麦グルテンと小麦でん粉を製造販売している。小麦グルテンは小麦粉に加えるとよく膨らむパンや伸びにくい麺になるもので、フリーズドライ製法の自社商品「O‐グル」は品質にこだわる製麺業や製パン業などにニーズがある。大手数社がシェアを占める製粉業界のなか、小川製粉は大手が参入しにくい分野に注目し、小麦グルテンのほか地域の農産物をフリーズドライ加工するなど、特徴ある商品づくりに挑戦している会社だ。
「他社がやらないことをやって、食に関わるさまざまな人たちの役に立ちたい。本当に良いものづくりをして、“選ばれる会社”になることを目指している。小麦粉というのは、どんなに製粉の機械化が進んでも製粉会社の個性が出るものだ」
小川製粉はこれまで製粉業の使命として良質な小麦粉を挽くことに専念してきた。しかし、これからは工業的なアプローチだけではなく、農業レベルまで掘り下げたさらなる知見が必要だと感じていたという。そのような折、庄内スマート・テロワールの小麦チームMD(マーチャンダイジング)から参加してほしいという声がかかった。

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