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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
カナダ(2) 嗜好用大麻の合法化に伴うヘンプ産業との棲み分け
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第37回 2020年12月24日
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前回は食品分野を取り上げたが、今回は、実際に産業用ヘンプが、医療用大麻や嗜好用大麻とどのように区分されているのかを紹介する。
カナダで大麻草の販売、所持、生産、流通(輸出入も含む)に関わるすべてを規定しているのは18年10月に改正されたカンナビス法である。栽培を解禁した98年以来、この法律下でヘンプは、花と葉に含まれるマリファナ成分のTHC濃度が0.3%未満のカナダ保健省が認定した品種に関わる範囲に規定されてきた。「ヘンプ免許」を申請すれば、栽培から加工、販売、輸出入までの活動が可能となる。
ヘンプにおいて、嗜好用大麻の合法化に伴う最も大きな変化は、チャフと呼ばれる花(開花頂部)、葉、枝の利用が合法化されたことである。意外に思われるかもしれないが、18年度までの20年間は、日本と全く同じようにカナダでも、茎(繊維とオガラ)と種子は利用できたが、花と葉の利用は違法だったのだ。
チャフにはCBD(カンナビジオール)が豊富に含まれる。13年に始まった米国発の健康成分CBDの大流行(本誌18年7月号)は、カナダのヘンプ農家にも影響を与えた。カナダ国内のヘンプ栽培面積が2万~3万ha規模になっても、チャフの部分はすべて畑で廃棄するしかなく、農家側はチャフの利用解禁を管轄する保健省に強く要望していた。
19年のカナダ保健省統計によると、約3万7000haの作付面積のうち採取目的別でみると43%がチャフ、生の種子(ヘンプ食品)が31%、繊維が22%、種子が4%だった。18年まで違法だったチャフは、19年度から合法になって早速第1位に躍り出たのである。
チャフ(花、葉、枝)も合法へ
カナダで大麻草の販売、所持、生産、流通(輸出入も含む)に関わるすべてを規定しているのは18年10月に改正されたカンナビス法である。栽培を解禁した98年以来、この法律下でヘンプは、花と葉に含まれるマリファナ成分のTHC濃度が0.3%未満のカナダ保健省が認定した品種に関わる範囲に規定されてきた。「ヘンプ免許」を申請すれば、栽培から加工、販売、輸出入までの活動が可能となる。
ヘンプにおいて、嗜好用大麻の合法化に伴う最も大きな変化は、チャフと呼ばれる花(開花頂部)、葉、枝の利用が合法化されたことである。意外に思われるかもしれないが、18年度までの20年間は、日本と全く同じようにカナダでも、茎(繊維とオガラ)と種子は利用できたが、花と葉の利用は違法だったのだ。
チャフにはCBD(カンナビジオール)が豊富に含まれる。13年に始まった米国発の健康成分CBDの大流行(本誌18年7月号)は、カナダのヘンプ農家にも影響を与えた。カナダ国内のヘンプ栽培面積が2万~3万ha規模になっても、チャフの部分はすべて畑で廃棄するしかなく、農家側はチャフの利用解禁を管轄する保健省に強く要望していた。
19年のカナダ保健省統計によると、約3万7000haの作付面積のうち採取目的別でみると43%がチャフ、生の種子(ヘンプ食品)が31%、繊維が22%、種子が4%だった。18年まで違法だったチャフは、19年度から合法になって早速第1位に躍り出たのである。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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