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今年の市場相場を読む

家庭の鍋需要を左右する野菜相場 ハクサイ/ネギ/シュンギク/シイタケ

20年後半は野菜の需給が複雑な相互関係のなかで混迷した。コロナ禍で業務用と家庭用の需要構造が変わり、一方で長梅雨や猛暑などによる生育遅れや病気の発生など、供給事情にも不確定要素が。9月にはGoToも始まって業務需要にも活気が戻り始めたが、予想以上の曇天が続き、10月中旬までは逼迫の気配があったが、後半から11月にかけて関東産の生育も回復、西南暖地の前倒し出荷も不要なほどに。しかし、本格的な寒さが襲来してコロナ第3波に見舞われている。外食店の営業自粛、時短要請が出るなか、家庭需要は鍋物を中心に活発化する。
この冬の鍋物用野菜はどうなるかを検証してみよう。

ハクサイ/8月播種の秋物も遅れを回復し安泰 鍋物の主役野菜として団欒つくりだす

【概況】
長野産がシェアを持つ夏場の東京市場。20年は8月上旬にキロ170円を超えた。10月下旬以降、茨城産が本格的に始まるが、10月全体ではまだ長野産が8割を占め、数量は前年並みながら、夏からの強含みを続けていた。それが11月に入ると、生育が進みだした茨城産に急速に転換。下旬には、キロ29円と単価が安くなった茨城産がシェア9割を超えている。長野産は前年の半分以下しか出荷せず今シーズンを終了させた。
【背景】
茨城は春先まで受け持つ大産地。それぞれの出荷時期や加工用の契約に合わせた作型に加え、圃場貯蔵も含めて懐が深い産地であり、夏から秋にかけての天候不良も大勢に大きな変化はない。また、仮に茨城に何らかの不都合が生じても、どの地域においても冬の必需野菜でもあり、北海道・東北から兵庫・九州など広範囲に産地がある。今年はコロナ禍で、家庭の鍋用需要が急増しても、業務用需要が不安定でも調整は可能で安定している。
【今後の対応】
年内出荷用は猛暑の8月に播種だったが、生育遅れもあったものの10月には回復した。コロナは第3波を迎えてステイホーム状態の再来もありだが、ちょうど鍋シーズンだ。ハクサイの潤沢な供給は一家団欒をもたらす感じがする。水をいっさい使わずにできるハクサイ・ベーコン鍋がネットで話題になるなど、食材としての関心が高まっている。寒い地方では、半切りで寒干して甘くして使う。1個売りできるミニハクサイにも出番がありそう。

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