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Economic eye

マッコリから焼酎へ(韓国)真鍮やかんからカクテルベースに進化した不死身の国民酒

韓国人は酒好きが多い。WHO報告によると、1人当たりアルコール消費量は8.65リットルで(2018年)、日本人6.82リットルより多い。アジアではトップだ。新年会、歓送迎、冠婚葬祭など、大勢が集まる席には日本同様酒が欠かせない。普段の生活でもよく飲む。代表的な酒はマッコリ(日本のどぶろく)と焼酎である。
しかし、時代とともに、喜怒哀楽を共にする「国民酒」は変化している。一番伝統的に飲まれてきたマッコリは、今日、酒類消費の8%に過ぎない。1970年代は焼酎、80年代以降はビールが多く飲まれている。しかし、マッコリは不死身だ。
マッコリは、6世紀頃から飲まれた固有の酒で、古い時代から農作業の時に飲んだ記録が残っている。高麗時代の文献(1123年)によると、王は旨い酒を毎日飲んでいたが(清酒や法酒)、庶民は「味が薄く色が濃いものを飲んでいる」。これが今でいうマッコリである。古代から、庶民も酒を飲んでいたのである。
マッコリは米のご飯に小麦で作った麹を合わせて造る(日本酒は米ご飯と米麹)。一度だけの仕込みで醸造させる簡便な早造りの酒。醸造が終わった酒は静置しておくと上の澄んだ部分と下方の濁った部分に分かれる。上澄み部分は清酒になるものだが、マッコリはこの澄んだ部分と濁った部分をそのまま一緒に混ぜ合わせて漉かしたものである(マッコリとは、朝鮮語のマツ〈何もかもひっくるめて〉コルリ〈漉かす〉からきた表現)。
マッコリは“発酵食品”であり、アミノ酸やビタミンを含み価値の宝庫だ(特に濾過や熱殺菌を経ていない生マッコリ)。上質のマッコリは甘味、酸味がバランスし爽やかな清涼感がある。

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