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人生・農業リセット再出発

悟りは捨てることから始めよ

伊勢志摩で囲炉裏の獲り立て魚貝を囲んで重要無形民俗文化財、現職の海女(あま)さん二人と談笑した。一人は会社勤めをした後に50歳で母の跡を継いで潜り始めた60歳過ぎで、もう一人の20代は夫の漁師になる夢を叶えたいと大阪から夫婦で志摩に移住してきたそうだ。
自分も海女になりたいと2年も懇願し続けてもヨソ者の素人娘は相手にされなかったが、熱意がようやく地元で受け入れられて海女になれたという。
海の掟(おきて)は、海の幸を未来まで絶やさないように素潜り漁に限った。泳ぎが下手でも海底まで潜れれば仕事になるが、乱獲防止で午前中は9時から1時間半、午後も1時間半だけの漁と決められている。出来高収入だから一日で100回以上、5mから15mの深さに垂直に潜り、30秒から50秒間も息を止めたままで保護色の獲物を瞬時に探し当てて、岩に密着したアワビをノミで掘り起こして急いで頭上の浮き輪(タンポ)目がけて浮上する。水圧で鼓膜をやられるし、命綱が岩に絡まって息絶えて死ぬ者もいるという。魔除けで足ヒレに一筆書きの五角星を描くのは一筆書きで繋ぎ目がないから魔物が侵入できないことと、書き始めの元に無事に帰ってこられるからだそうだ。資源保護で10cm以下の鮑(あわび)は海へ帰すが、運が良いと午前中1時間半で3万円の稼ぎで、だいたい一日5万円だとか。平均年齢は65歳で“末期”高齢者(⇒光輝交麗者)が多いが、若い頃に女手一人で年収800万円を稼いで旦那に家を建ててあげた海女も多いと豪快に笑う。海女小屋(カマド)で焚火を囲んで暖を取りながら盛り上がる話題は、旦那の悪口を披露し合うこと。海のオンナは底抜けに明るく、話していて愉快だ。半農半漁で家の田畑で野菜も作り、買うのは肉と調味料ぐらいで、自給自足がほとんどとか。

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