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事業が発足した40年前から世代も変わり、市場が飽和している現代では栽培条件が悪く営農が成り立たない農地もある。事業は実質終焉を迎えつつある。自治会では地主たちの考え方をまとめることはできない。県に県営畑灌水事業と、その受益地域の農地全体の土地活用についての見直しを求めたい。
農地に関する現状
2000年代より農林水産分野の規制改革で、重点的に扱われてきた一つが「農地」制度である。農地法は規制改革会議の答申に基づき09年、16年に改正が行なわれた。農地の有効活用のために参入障壁を緩和し、利用権の自由化による規模拡大の促進が推し進められた。同時に農業委員会の在り方が問われ、見直しを迫られたことも記憶に新しい。また安倍政権下で推し進められた「農地集積」は、農地中間管理機構が新設されたが、その後、現場で機能しているかは地域事情次第である。さらに「底地を前面コンクリート張りした農業用ハウス等の取扱い」や「相続未登記農地等の利用促進」、「若者の農業参入等」など、農地を取り巻く課題は現場に則して次々と挙げられている。農業就業者人口が減り、高齢化するなかで、農業委員会にせよ、保守的な成り立ちを背負う農地法にせよ、まだまだ改革が必要な状況である。
個々の意見 農機の道路走行
聞き手/清水泰
【ケース1】
運用現場の実態に則して改めよ
コメ・飼料生産者 小原大(岩手県)
岩手県花巻市の中山間地でコメと飼料を生産している。農業現場で実感する道路交通法関係の不備を四つ指摘しておきたい。 (1)小型特殊車両の規制によって、トラクターのロータリー幅が1.7mを超えると小型特殊自動車免許では運転できず、大型特殊自動車免許が必要になる。現実的に道路は2.5m幅員であり、1.8mのロータリーでも通行に支障はないし、トラクターの性能も向上していて小型のトラクターでも1.8mのロータリーを付けて十分走行できる。にもかかわらず最近は、警察が無免許運転の摘発を強化している。現実に見合った法改正を行ない、農業者の生産コストを抑えるべきである。
(2)軽トラックの積載重量も350kg以下という規制を見直し、最低でも500kg、できれば今の軽トラなら普通に積める700~800kg程度まで拡大してほしい。コメの搬出もコンテナ、フレコンバックによって農地から運んでいる。これも警察から過積載の取り締まりを受けている。実態に合わせて軽トラックの規制を見直すべきである。
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