記事閲覧
農業を始めるのに資格制度はない。作物は誰が栽培しても育つ。農業は7割が自然、3割が世話をする農業者によるものである。しかし、農業を始めるにはまず土地が必要である。農業委員会に土地を借りることを阻まれては何もできない。
異業種や新規就農者など農業をやったことがない人たちが新しい感性でやれば農業も変わるし、サラリーマンの平均年収の400万円台の収入も得られるはずだ。2015年の農業委員会法の改正により、農地等の利用の最適化の推進として「新規参入の促進」が加えられた。
現在はどうなのか。農業委員会の古い考え方を変え、よそ者の考え方を「突拍子もないことだ」と否定することなく、土地の賃借契約を進めてほしい。疲弊する日本農業は何十年も前から改善されていない。
知っていながら対応しない摩訶不思議な団体が多いと感じている。
【ケース2】
農地中間管理機構の農地 買い上げによる農地集約化を
サツマイモ生産 匿名(茨城県)
いま、農地集約化という農地中間管理機構の機能が生かされていない。私は40haでサツマイモを生産しているが、2、3反など小さい畑が多く、全部で180カ所に散在している。そのため、移動に時間を取られ、100馬力のトラクターも生かし切れず、作業効率が悪い。仮に1枚1haの畑として試算したところ、1haの畑より2反や3反のほうが2倍のコストがかかることがわかった。規模拡大を図ろうにも採算が合わないため、規模を縮小して無農薬栽培に切り替えて経営している。
現在はサツマイモブームなので、近隣では高齢者や新規就農者が小さい畑まで使ってサツマイモを作っている。しかし、5年後、10年後には、新規就農者の数よりもずっと多い70歳以上が一気に辞めるので、空き農地も一気に増えるだろう。最低でも1ha以上に集約されていれば収益性があるが、ポツリ、ポツリと点在している小さい畑を買い集めても生産効率が悪い。
また、都市近郊型農業は住宅地から農薬散布の苦情もあるため、仮に5mの緩衝地帯を設けると小さい畑はさらに半分の面積になってしまう。まとまった土地があれば、他県に行ってでもやりたいと思う。近隣の大規模農業者たちも1haなら小作料として10万円払ってもいいのでやりたいと言っている。しかし、いまのまま1反や何畝といった小さい畑ばかり貸し出される状況では、やがて辞める人が増えたとき、耕作放棄地が増えていくだろう。じつは、すでにそういった耕作放棄地は現れ始めている。
会員の方はここからログイン
編集部
特集
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)