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【江刺の稲】
男共よ「女性の立場」で考えることを忘れるな
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第295回 2021年01月28日
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記事によると、「ある女性企業経営者から、本誌の表紙写真に女性が出てこないのは『女性差別』であるとの批判を受けた。そして、「創刊から32号に渡って男の顔がズラーッと並んでいるのを見れば、女はこの雑誌を絶対に買わない!」と言われてしまった。でも、これまで女性を取上げなかったからといって差別だなどとは思わない。それは単に確率の問題に過ぎないからだ。しかし、そのために女性読者に本誌の敷居が高くなるというのであれば、それは問題だ」と。
なんでこんなことを書くかというと、先日、本誌執筆者の一人でもある榊田みどりさんにお目にかかり、榊田さんと農家・農村での女性問題について話題になったからだ。
昨年12月、農水省女性活躍推進室が「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」報告書というものを出している。榊田さんはこの報告書をまとめる検討会の座長なのだ。この検討会の目的は「農業や農村に女性を呼び込み、発展させていくため、女性農業者が活躍できる環境を整える具体的方策を検討することだ」。
以前にも書いたが、そもそもこのテーマにかかわる「家族経営協定」という制度が出てきたとき、「なんでそんなことまで国が口出しをするのか」と疑問を差し挟む記事を書いている。初めて農業・農家に職業的に接するようになった40年近く前、あるいは本誌創刊当初なら「女性差別」も男である僕にも感じないわけではなかったが、それは今も同じ問題なのか。それも行政がかかわるようなことなのかというのが正直な感想である。日本の社会に「女性差別」が存在することは事実だと思うし、それは変えていかなければならない重大な社会問題である。
なんでこんなことを書くかというと、先日、本誌執筆者の一人でもある榊田みどりさんにお目にかかり、榊田さんと農家・農村での女性問題について話題になったからだ。
昨年12月、農水省女性活躍推進室が「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」報告書というものを出している。榊田さんはこの報告書をまとめる検討会の座長なのだ。この検討会の目的は「農業や農村に女性を呼び込み、発展させていくため、女性農業者が活躍できる環境を整える具体的方策を検討することだ」。
以前にも書いたが、そもそもこのテーマにかかわる「家族経営協定」という制度が出てきたとき、「なんでそんなことまで国が口出しをするのか」と疑問を差し挟む記事を書いている。初めて農業・農家に職業的に接するようになった40年近く前、あるいは本誌創刊当初なら「女性差別」も男である僕にも感じないわけではなかったが、それは今も同じ問題なのか。それも行政がかかわるようなことなのかというのが正直な感想である。日本の社会に「女性差別」が存在することは事実だと思うし、それは変えていかなければならない重大な社会問題である。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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