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人生・農業リセット再出発

【令和】元号の名付け親


その不動の天の摂理にも似た答えに圧倒されて妙に納得してしまう。「“令”は、形が整っていてうるわしい善の意味で、和の精神を世界に広めるのは次代日本人の務めです。“令和”は、初春令月、気淑風和と詠った大宰府長官・大伴旅人の“梅花の歌三十二首”の序文です。今まで漢籍から採られていたけど日本の元号ですから国書を典拠にしても良いでしょう。和の精神を世界に広めていく新たな時代にふさわしいものでしょう」。穏やかな口調の中にも理路整然とした納得力は流石に天皇陛下の「歌会始」の召人、万葉集の権威だ。これだけの説明がよどみなく出来る学者、やはり令和の名付け親だと確信する。
先生との出会いは私の京都講演会後に哲学者の梅原猛さん、奈良薬師寺管長の安田暎胤さんたちと食事をしたときだった。のちに65歳で亡くなる奥様の紘子さんも一緒だった。中西先生は東京大学の博士、最初は高校教師で、教え子にエジプト考古学者の吉村作治さんなどがいる。筑波、帝塚山学院、京都市立芸術、大阪女子大学など多くの学長を歴任された。私が知己を得てからは、京都若王子にある梅原さんの自宅にお邪魔したり、一緒に龍安寺や薬師寺管長を訪ねて、色々と勉強させてもらった。中西先生から電話で、「フランスの文部大臣を日本の学界に招待するのに失礼が無いように政府補助の普通席からファーストクラスに上げてもらいたいのだが」との内容。私の乗務便であれば内密で出来るが、誰が担当乗務か分からない便では、そうは問屋が卸さない。安いチケットでUP-GRADE依頼をしてくる図々しい御仁を断るのにかなり苦労した時代だった。ところが、差額は学会が払うのでファーストクラスの予約をしてほしいとのこと。JAL予約を通さないで“飛び職”の私を頼ってくるところが、ウブというか実直というか、微笑ましさに安堵したものだった。25歳の娘がダイビングで事故死し、最初の奥様を亡くして紘子さんと再婚されたのにまた死別。現在は30歳も年下の夫人と一緒だとか……。波乱万丈の人生だが、勉学に勤しむ学者の方々は常に目が輝いている。2020年秋には、とうに80歳を超えておられる薬師寺の安田長老を訪ねて奈良へ行ってきたが、30数年前に私がロンドンから出したお礼状のハガキを、わざわざ探してこられたのか見せてもらって感激した!中西、梅原、安田さんたちの実直さ、素直さ、行動力、記憶力と明朗さ、すべてにマメ。私も90歳を超しても、同じようにイブシ銀のごとく光を放ちながら生きるゾと、人生はかくありたいものだと痛感しきりだった。

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