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特集

米政策パラダイムシフトを乗り切る スーパー稲作経営


小野寺議員が呼びかけたとき馬場専務は「体調不良」で戦線離脱したと全中広報は認め、内部情報はその状況を「メルトダウン」という表現を使ってレポートしてきたのだ。
それはさておき、こうしたコメントが、農林インナー(自民党農林族議員の有力者)から出てくることは、政府が目指す米政策改革がかなりのスローペースであるが進展しつつあることを意味する。前段で小野寺議員が示した見解は実にその通りだが、これに補足するとしたら、1兆7000億円もあるマーケット商品に、政府がたかだか数百億円規模の財政資金で緊急買い入れしたところで、需給調整はできるものではないというマーケットの常識がいまだに通用しない全中幹部のお粗末ぶりには呆れてものが言えない。
「国民の理解が得られない」というフレーズは、敷衍すると、過去に緊急買い入れで納税者に多大な迷惑をかけたトラウマがあるということだ。旧食管制度下、農業団体の圧力に負けて国は2度にわたり、緊急買い入れに応じたが、巨額の財政資金を投入させられた苦い経験がある。
1回目は、1968年から70年の3年間で740万tの在庫を処理するため約1兆円。2回目は79年から83年にかけて600万tの在庫処理で約2兆円の純損失を被っている。小野寺議員が、国民の理解が得られないとコメントしたのは、まさにこのことなのだ。

【水田リノベで示された画期的な交付条件】

緊急買い入れ財源としてJA全中がアテにしていたのは、第三次補正予算案での水田農業関係予算だった。12月15日公表の予算案では350億円。これにプラスアルファの財源をめぐる農水省とJA全中の争奪戦という見方もできる。緊急買い入れ財源に使わせようと目論んでいたJA全中は、途中で自民党からはしごを外されて、要求を通すことができず、最後は農水省とも喧嘩別れに終わってしまった。
その350億円は、官邸の強い意向もあって未来志向の転作奨励策として「新市場開拓に向けた水田リノベーション事業」(290億円、略称「水田リノベ」)や「麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクト」(60億円)に投入されることになった。この転作奨励策は、その要件を読めば、実効ある転作を目的に、従来のようなバラマキに終わらせないようストッパーをかけている。
メニューは2種類ある。農業者向けに「実需者ニーズに応えるための低コスト生産等の取組支援」(270億円)と、民間事業者向けに「需要の創出・拡大のための機械・施設の整備支援」(20億円)。農業者向けの交付単価は、4万円/10a。転作奨励金としては、かなり奮発した金額だ。

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