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特集

米政策パラダイムシフトを乗り切る スーパー稲作経営



■RTK活用 ワンオペ農業実現に向けて
秩父別町の川合農場、川合雅記さん(46歳)。全面積、餅米を生産している。出会ったのは2018年冬、札幌での講演会だった。本特集に登場を願うきっかけとなったのは、年末に、ひょんなことからスマート農業の話題で盛り上がり、その知識や情報、現場での実践話は、筆者が独り占めにするのは、もったいないと考えたからだ。
餅米は2品種を生産。「風の子もち」は28haで田植え、残りは「はくちょうもち」12haで直播。それも湛水と乾田の2モード対応だ。播種床の造成時点で水路に水がある場合には湛水、ない場合には乾田と使い分けている。どっちがよいのか?「技術的にみて安定性があるのは田植え。作業効率では直播に軍配が上がる」という回答が戻ってきた。
川合さんとの会話は骨が折れる。初めて聞く専門用語が、それも英語でポンポンと出てくるからだ。ISOBUSはトラクターと作業機などとの間で情報をやりとりする場合の通信規格。RTKは、ドローンの操縦やトラクターなどの自動運転などに使う衛星通信を利用した測位システムのことだ。
トラクターと田植機は、直進アシスト・タイプだが、リアルタイムで高精度の測位が可能なRTK基地局を設置してあるので、それを使って2~3cmの精度で作業ができるようにした。RTKを使わないと精度は一桁落ちる。基地局は、農薬散布に使うドローンとも共用。田植機には、川合さんオリジナルの直播用種籾散布器を取り付けた。
ワンマン・オペレーション(ワンオペ)実現のため、育苗ハウスの自動開閉や籾摺り装置もセンサーで自動化する一方で、インターネットカメラでモニターできるようにした。このおかげで春は育苗ハウス管理と圃場作業、秋は籾摺りと稲刈りが同時進行でワンオペが可能になった。
このトラクターは、17年製ヤンマーの従来タイプ。直進アシストではない。それにRTK自動操舵装置を装着。とりあえず直進だけの自動運転に改造した。

■確実に浮く人件費 年間200万円が取り分に
川合さんがスマート農業に取り組んだのが5年前、ワンオペ対応を確立したのが2年前。RTK自動操舵を例に、ワンオペ農業のメリットを説明してもらった。
「これを導入して正確な作業を実現することで、トラクターの作業効率もアップするし、収穫ミスも少なくなり、歩留まりも一段と向上しました。例えば、作業効率。1台のトラクターがこなす作業量は、代掻きの場合、1日あたり15haから20haに増えました。3割アップしたことになります。それだけではなく、施肥、播種、田植え、薬剤散布などでも使うと、効率はさらに上がり、しかも収量は数%アップが期待でき、投資分はすぐ回収どころか、お釣りが出てくる勘定です」

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