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【江刺の稲】
いよいよコメが神棚から引きずり降ろされる
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第296回 2021年02月25日
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ここまで書いたところで旧知のNさんから電話がかかってきた。子供の受験に付き添ってきたので事務所を訪ねてよいかとのことだった。スガノ農機でプラウと畑作技術体系の伝道師をしてきた彼が農家になって4年。彼が営業マン時代のお客さんたちやSNSを通じて広がっていく友達の輪が彼を育てた。13ha規模の畑作農家に成長したようだ。
創刊した93年は冷害に見舞われたが、それは天災ではなく、土壌管理を怠った人災だという少し過激な実演勉強会をスガノ農機とともにその翌年に開いた。2月の茨城に代掻きもできる実演圃場を作って耕うん・整地・代掻きなどを実演し、夜遅くまで勉強会を行なった。その時、集まった今ではもう70歳前後になっているだろう参加者たちが、同じ考えを持つ農家が全国におり、そんな仲間に出会えることに嬉し泣きをする人もいた。ウルグアイラウンドの農業合意をしたばかりの頃で、会場で語られる技術問題ばかりではなく、時代や農業政策、農村社会に対する彼らの考え方はきっと村ではタブーとされる意見だったのだろう。
創刊した93年は冷害に見舞われたが、それは天災ではなく、土壌管理を怠った人災だという少し過激な実演勉強会をスガノ農機とともにその翌年に開いた。2月の茨城に代掻きもできる実演圃場を作って耕うん・整地・代掻きなどを実演し、夜遅くまで勉強会を行なった。その時、集まった今ではもう70歳前後になっているだろう参加者たちが、同じ考えを持つ農家が全国におり、そんな仲間に出会えることに嬉し泣きをする人もいた。ウルグアイラウンドの農業合意をしたばかりの頃で、会場で語られる技術問題ばかりではなく、時代や農業政策、農村社会に対する彼らの考え方はきっと村ではタブーとされる意見だったのだろう。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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