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今年の市場相場を読む

コロナの年に家庭需要が支えた野菜類 ミョウガ/ベビーリーフ/ズッキーニ/ハクサイ


【今後の対応】
ズッキーニは、過去10年では最も伸びた野菜である。見た目はキュウリに似ているがカボチャの仲間だ。食べる機会がないと多くの人が食わず嫌いになる。しかし、いったん使ってみると、カレーなど煮込みや天ぷらなどの揚げ物、鉄板焼き、和洋中何にでも向く、使い勝手がいい野菜であることが分かる。昨年の夏、業務需要がそれほど強い品目ではないのに、入荷がやや減ったくらいで高値になった。これは家庭消費を前提にした小売店需要があるためだ。

ハクサイ/不需要期の夏場に家庭需要が出現 食材として見直され消費周年化の兆しが

【概況】
東京市場の入荷量を10年対比で見ると、20年は数量が12%増えたうえに単価は9%高くなった。これがまさに20年独特の特徴である。シェア56%の秋・冬・春の主産地茨城は、この10年で12%増、シェア31%の夏の主産地長野はこの間21%増。にもかかわらず20年8月の入荷量は前年より23%減って単価は2倍に。この月のハクサイの輸入量は前年の12倍、1300tを超えた。不需要期の真夏にはめったに見られない現象だ。
【背景】
普通は春から夏にかけては、ハクサイの不需要期だが、業務用需要はそれなりに底堅い。漬物などの加工用については、市場流通とは別枠で輸入や契約で賄われる。ところが、コロナ事情で外食が急減して業務用が行き場所を失い、これを期せずしてカバーしたのが家庭需要である。鍋物は一家の主婦の心強い味方だ。簡単で美味しく栄養的にも優れている鍋料理は、いまや様々な種類の「鍋つゆ」が販売されている。季節にかまっていられない。
【今後の対応】
過去30年来、ハクサイの家庭消費は減少の一途をたどってきた。ただ、消費者がハクサイを食べないわけではない。玉ごと買って自家製漬物を作る習慣は廃れても、キムチを含む漬物は小売店の売れ筋であり、外食店では付け合わせやメニューで提供されている。また、一人キャンプの静かなブームの影響か、ハクサイにベーコンを挟むだけで、水も入れなくていいハクサイ鍋も流行りつつある。これを契機にハクサイの周年にわたる家庭需要が生まれてほしい。

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