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江刺の稲

プロシューマーの時代がやってきた

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第297回 2021年03月22日

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我が国で初めて販売・流通されるゲノム編集食品のトマト(商品名:シシリアンルージュハイギャバ)を販売するサナテックシード(株)会長の竹下達夫氏(パイオニアエコサイエンス(株)会長)をインタビューした。
竹下氏は、このトマトがゲノム編集による育種であることを明示するとともに、その苗を家庭菜園をする消費者に無料配布した。その結果、苗を求める消費者の数は5千人を超えた。種苗メーカーである同社が敢えて消費者を対象として無償配布したのだ。竹下氏は「プロシューマーの時代だから」と言った。
プロシューマー(Prosumer)とは1980年に翻訳出版された『第三の波』でアルビン・トフラーが示した概念で、消費者(consumer)が生産者(producer)化した生産=消費者のこと。トフラーは同書の中で、人類が初めて農耕を行なうようになった時代(第一の波)と産業革命(第二の波)という2回の大変革を体験してきているが、さらに情報革命による脱産業社会(情報化社会)という「第三の波」を体験する時代になると予言した。そこでは都会に住むホワイトカラーが山村に住み通信を使って仕事をし、自ら農産物を生産し消費する。都心から地方に移住し、リモートで仕事をして家庭菜園をする人々の存在。2000年代になるとインターネットが社会のインフラになり、誰もが使う時代になった。家庭菜園というレベルをはるかに超えた大規模な耕作をする非農家も各地におり、トフラーが予言したプロシューマーの時代はまさに今起きている。農産物に限らず、電力も太陽光パネルを屋根に置いた住宅も珍しくない時代になった。

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