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土門「辛」聞

仕入れ失敗を政府に転嫁するJA北海道中央会の裏工作

北海道産米の値崩れが激しい。相場より割高の概算金で集荷したことが原因だ。自宅近辺のスーパーなどを調べたところ、いずれも生産者概算金を割り込むような値段で売られていた。いずれも「ななつぼし」5kg入り税込み価格である。調査は2月23日から25日の3日間。
▽コストコ=1898円(札幌・松原米穀扱い)▽西友=1898円(神明扱い)▽イオン=1922円(PB商品・とまこまい広域農協指定)▽イトーヨーカ堂=2036円(木徳神糧扱い、5.25 kg2138円を5kg入りに換算)
北海道が誇るブランド米も形無しの安売り乱売合戦の様子がくっきりと浮かび上がってくる。北海道の米関係者が絶句しそうなのは、最安レースのトップを走るコストコ価格に、ホクレン出荷・神明扱いの西友価格が同着になったことだろう。
そして奇異に感じたのは、イオンのPB商品だ。価格表の横に「とまこまい広域農協指定」という説明があった。イオンと農協のコラボ商品のようである。農協も安売り競争を容認したのであろう。仕入れの失敗により供給過剰に陥っていることを示す格好のエピソードではないか。

道産米の乱売合戦が始まった

ななつぼしの直近の相対取引価格は、2020年12月時点の1万5081円(玄米60 kg税込み)だった。収穫前に農協に提示したホクレンのJA概算金は1万3200円。その差1881円は、出荷・物流経費相当額なので、その販売価格ならホクレンにはほぼ利益は出ないとみた。
北海道産米の直近在庫は38.3万t(20年12月末現在)。米産出高から推定するホクレンの取扱いシェアは77%(18年度)だ。商人系集荷商は収穫直後に売却するので、その数字の大半はほぼホクレンの在庫分と推定した。在庫分の行き先は大手卸。ホクレンとの間で事前契約・複数年契約を結んでいるからだ。大手卸は、高額概算金で仕入れに失敗したホクレンの抱きつき心中(安売り乱売)の相手をさせられている印象を受けてしまう。

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