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今年の市場相場を読む

ツマ物野菜はコロナ禍でどこに行った パセリ/サラダ菜/ワサビ/オオバ

いまも続くコロナの影響で業務用需要は激減し、家庭需要の増高傾向へと野菜の需要構造が一変した。「家庭特需」がもたらされたのだ。家庭需要は、単価が上がると購入量が減ってしまう。これに対して業務用需要は単価に関係なく、コロナ以前の仕入れ数量は安定していた。
生産側にとっては業務用需要の健全性が必要不可欠である。この頼もしい業務用需要がコロナ禍で一斉に激減し、卸売単価は安値で低迷した。それに伴い、生産・出荷も抑制されてはいたが、業務用野菜はどこに行ったのだろうか。気象災害のため入荷減単価高となった2018年との比較から見えてくるその行き先とは。

パセリ/業務用需要の動きとみごとに相関 少量でも「毎日使う」品目狙いに

【概況】
東京市場におけるパセリの入荷推移を、野菜類が気象災害のため数量減単価高の2018年と、20年コロナ年とを比べてみる。産地側が春に向けて出荷を増やそうとした2月に折悪しく初の緊急事態宣言が出た。このとき1月に比べて23%も単価を下げた。2年前の同月と比べると66%だ。需要を底支えしている業務用需要が急に無くなり、産地も市場も対応に追われた様子がこの入荷動向から分かる。安く小売用に仕向け先を変えたが売れない。
【背景】
その後、単価安を受けて産地も出荷を抑制してくるが、買い支えがないために、数量を減らしてもさらに安値が続く。ただし、一時的に規制緩和となった7月、10月以降には業務需要復活の兆しも。だが生産~出荷が抑制されていて単価は18年同月の2割以上もハネた。料理の添え物に過ぎないが、「たかがパセリ、されどパセリ」である。添えるだけだから、普通の飲食店なら1~2パックもあれば十分だが「毎日必ず買う」という需要がいかに大切かだ。

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