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今年の市場相場を読む

ツマ物野菜はコロナ禍でどこに行った パセリ/サラダ菜/ワサビ/オオバ


【背景】
生ワサビは「高いもの」の代名詞であり、それゆえにフェイク品であるはずのチューブ入り商品がワサビだと思われてきた。ワサビの生育は水質を選ぶうえに、収穫までに2年程度かかり「真妻系」と呼ばれる薫り高く粘質になる高級品はそれだけの価値がある。そのため、バブル崩壊以降には一気に高級需要が減った。しかし近年では入荷数量も最盛期より3~4割減っているとはいえ、単価は底堅い需要に支えられ、キロ5000円近くまで回復している。
【今後の対応】
バブル期にはステイタスとしての「グルメ」が高価・高級を意味していたが、いまは「和食」や「伝統的香辛料」「本物の美味しさ」といった「趣味の問題」であり、一般にも本物志向が浸透してきた。それはバブル崩壊という試練を受けたワサビが、新しい価値ある存在として見直されてきたことを意味している。小売店でも太めのものが1本1000円以内なら値ごろになっている。昨年の入荷動向は、コロナを好機ととらえた産地の安値戦略だったか。

オオバ/年間通じた入荷増継続は販促戦略か マーケット独占に向け愛知が仕掛け

【概況】
昨年のコロナ事情のなかで、東京市場の野菜の入荷は大方減少した。そして減少しても単価は安かった。固定化しているはずの業務用需要が不安定だったからだ。しかしオオバは、単価が他の品目同様に安くなったにもかかわらず、例外なく毎月、2年前の実績を上回って入荷した。かつて、ツマ物野菜だったオオバが、いまや一般野菜の仲間入りするまでになった功労者は愛知県の豊橋園芸組合だが、さらなる普及のための販売戦略なのだろうか。
【背景】
18年の東京市場における愛知県のシェアは80%であったが、20年には87%に増やした。これだけ見れば、あえて出荷を増やして安値戦略を仕掛けて、各地に増えたオオバ産地を「追い払う」作戦のようだ。実際、そのために18年で15%のシェアがあった茨城県は、20年は32%減少してシェアは9%まで落ちた。系統掌握力の差でもあるし、茨城県では産地がオオバだけに特化しているわけではない。東京の近郊産地としてのメリットは多品目生産の方にある。
【今後の対応】
オオバは、一般家庭でも薬味や手巻き寿司、様々なシソ巻き料理などでよく使うようになった。ヘルシーな野菜スムージーなどにも多用される。20年に関しては、1パックに複数束入った商品が小売店頭でよく見られた。まるでオオバ・マーケットは任せろ!と言っているようだ。20年の出荷増大作戦は、中国産などを含む加工用需要を含めたマーケット獲得戦略と見た。それが偶然、コロナ事態に遭遇して、目立つ動きになった。和風香辛料としても追い風であろう。

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