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Economic eye

アジアの国際労働市場の変化 外国人技能実習生をどこから受け入れるか

日本の社会は外国人労働者なしでは回らなくなっている。ところが、生産年齢人口の減少に直面する国が増えてきたので、アジアの国際労働市場では外国人材の争奪戦が起きるであろう。将来、日本はどこから外国人材を入れるのであろうか。
技能実習生は当初、中国からの受け入れが多かった。しかし、2013年頃から中国人が減少に転じ、逆にベトナム、フィリピン、インドネシアが増え始め、19年にはベトナム22万人、中国8万人と大きく逆転した。近年はミャンマー等も増えている。
将来も、技能実習生依存は避けられないが、日本が必要に応じて技能実習生を手当て出来るかは問題がある。アジアの国際労働市場は極めて“競争的”であり、日本の競争力が問われている。
第1に、「技能実習生」と言っても、その実態は出稼ぎ労働者であり、賃金の高いところへ流れていく。高度経済成長期には、アジアの途上国にとって、日本は憧れの的だった。日本の魅力(ソフトパワー)が外国人材を引き寄せていた。
しかし、「失われた30年」ゼロ成長の日本は魅力が後退している。そうなると、賃金の高さが勝負になるが、日本の賃金は必ずしも高いわけではない。例えば、韓国17万円、日本15万円である。加えて、語学教育などの準備費用が日本は高いので、実質上、韓国との差はさらに大きい(本誌18年3月号拙稿参照)。

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