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山口亮子の中国のアグリテック最新事情

農業用ドローンの雄、XAGが目指すもの


XAGのサクセスストーリーには起点となる場所がある。新疆の綿花畑だ。20年の年度大会では「中国綿花産業のアップグレード、モデルチェンジを手伝う」との説明がなされたそうだ。38万人を超える農家の生産に協力し、1300万ムー(約87万ha)の農地をカバーしており、これは機械収穫する綿花の実に70%を占めるという。
綿花という、ドローンでの薬剤散布が一気に拡大し得るブルーオーシャンに目を付け、実績を積んだことが後に水田地帯や果樹園まで羽を広げる下地になった。新疆ウイグル自治区にはセンターがあり、今も新入社員の技術指導に使われるほか、研究開発拠点にもなっている。
ところで、同社が扱うのはもはやドローンにとどまらない。無人機、つまり農業用ロボットから、気象データも収集できる圃場用監視カメラ兼センサー、営農支援システム、自動操舵キットに至るまで極めて広範だ。開発対象をスマート農業全体に広げており、あらゆる機器をクラウドにつなげ、情報を統合してビッグデータ化しようとしている。単なるドローンメーカーではなく、農業分野におけるプラットフォーマーに脱皮しようとしているのだ。
「XAG人の最終的な構想」という図がある。圃場を無人機や自律走行の農機が走り、気象や圃場を監視するセンサー兼カメラが立ち、農家が営農支援システムを使っている。農地の傍らにはデータセンターがあり、情報がクラウドに統合される。
くしくも、日本のある大手農機メーカーが描いた、スマート農業に対応した農業の将来図に極めて近い。「ドローンメーカーからの脱皮」について、XAG JAPANの住田靖浩社長も言及しているので、15ページのインタビューで紹介する。

多機能ロボットが日本でも発売予定

多様な場面で使える製品として象徴的なのが日本国内でも今年発売予定の無人機(農業用ロボット)だろう。噴霧器による液剤散布や粒剤散布、資材の運搬、除草、圃場の監視といったさまざまな役割を、アタッチメントを取り換えることで1台で担える。スピードスプレイヤー、運搬車、除草ロボット、監視カメラの役割が1台で済むイメージだ。国内の販売価格は、バッテリー2本や測位用の簡易型基地局などを含むセットで、200万円台になる見込みだという。
国内でも農業用ロボットはいろいろ販売されているけれども、ここまで用途が広いものは、ほぼない。あるとすれば、(株)DONKEYが開発・販売する「DONKEY(ドンキー)」で、同様にアタッチメントを取り換えることで多機能を持たせるとする。4月から試験販売し、22年に量産化の予定だ。

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