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【Economic eye】
農民ノーベル賞めざすプロジェクト 観察力を活かし生命科学系の論文で受賞
- 評論家 叶芳和
- 第11回 2021年04月23日
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私は「農民がノーベル賞を受賞する」時が来ると思う。作家(文学者)にできて、なぜ農民自身ができないのか。理由はないと思う。差別、蔑視は無用。日本の農民が、将来、自然科学系のノーベル賞を受賞する時が来るであろう(文学賞ではなく)。
農民も研究能力がある。実際、新品種の発見や品種改良、等々、新しい情報を生産してきた。数え上げれば枚挙にいとまがないくらいだ。試験研究機関よりも、情報生産能力が高くても不思議ではない。
2008年ノーベル化学賞は、「オワンクラゲの緑色蛍光タンパク」を発見した下村脩氏が受賞した。オワンクラゲは「なぜ光るのか」、家族総出で80万匹を捕まえて実験を繰り返し、タンパク質を光らせる手法を開発した。“数”がものを言った。とことん考えたことが解明に成功したと言えよう。
筆者の長年の農村調査の中でも、“研究熱心”という点で興味を引いたのは、新潟越後平野の平野農場である。夫婦でコメ60ha(自作30ha、作業受託30ha)の経営で、60kg当たり6000円の低コストを実現していた(拙著『新世代の農業挑戦』全国農業会議所2014年参照)。
農民も研究能力がある。実際、新品種の発見や品種改良、等々、新しい情報を生産してきた。数え上げれば枚挙にいとまがないくらいだ。試験研究機関よりも、情報生産能力が高くても不思議ではない。
2008年ノーベル化学賞は、「オワンクラゲの緑色蛍光タンパク」を発見した下村脩氏が受賞した。オワンクラゲは「なぜ光るのか」、家族総出で80万匹を捕まえて実験を繰り返し、タンパク質を光らせる手法を開発した。“数”がものを言った。とことん考えたことが解明に成功したと言えよう。
筆者の長年の農村調査の中でも、“研究熱心”という点で興味を引いたのは、新潟越後平野の平野農場である。夫婦でコメ60ha(自作30ha、作業受託30ha)の経営で、60kg当たり6000円の低コストを実現していた(拙著『新世代の農業挑戦』全国農業会議所2014年参照)。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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