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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
豊かな農業予算に感謝しています!
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第156回 2021年04月23日
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昨年の春小麦の初冬播き
北海道で渇水になった、という話をあまり聞いたことがない。南の文化が正しいと考える人には理解できないだろうが、北海道には雪が降りその雪を半年間しっかりと貯蔵できる山々や湖があるからだ。北海道は雪が降るから大変だ!という発想は、南アジアの発想そのものであり、確かにその文化を北に持って来たら大変になると自らが卑下しているようなものである。
人口が多いからというのは理由にならない、ロサンゼルスは遠くロッキーから水を運び、農業用水を削減させてまで都市を豊かにしている。あるダムの貯水量の権利の半分は農業用で、1/4は工業用、残り1/4は飲料となっている。さて、豊かでなくてならない国土に住む万民のために蓄えている水の協調性は、日本には存在するのだろうか。
とは言いながら雪が少ないことはありがたい話だが、その前年12月上旬に播種した私と当時グリーンバイオ研究所の景浦さんが開発した春小麦の初冬播きは、ある程度の積雪を見込んで春を迎える。
マイナス20℃でも積雪が30cmあれば地面と積雪面は零度程度だ。12月に播種した春小麦はゆっくり発芽して生育するが、雪がないと越冬性に劣る春小麦はアディオスとなる。じゃー春に播種したら良いではないか、となるが、この地域は北空知よりも南にあり気温が低いので(間違っていません)、生育期間が限られてしまう。
昨年は雪が少なく春に播種する春小麦も3月31日に作業ができ、幸先の良いスタートだった。ある研究者の話によると、北海道で麦が豊作になる気象条件は、4月から6月の開花が終わるまで平年よりも気温が高く、その後は収穫までは平年よりも気温は低い方が良いとされる。過去1993年、02年、15年はこの気象条件にピッタリ当てはまり、昨年も大豊作だった。
ありがたいことに、このような気象条件の年は麦の収穫が始まると気温も高くなり、大豆の収量も上がる傾向になる。降水に関しては近年では麦の収穫が始まるまでは干ばつ傾向のようだ。ただ降水量の数字だけを見ると、干ばつになっていない。つまり、雨の日は減ったが降るとドカーンとやって来るのだ。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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