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今年の市場相場を読む

広域一元集荷で成果が出た野菜類 ニラ/シイタケ/サトイモ/ミニトマト

野菜類の長期安定出荷体制の対極にあるのが「少量・多品目・旬生産」であり、その相互関係は「系統共販」対「直売所」という構図になるだろうか。しかし、現実には生産者の高齢化、担い手の圧倒的な不足で、わが国は「縮小的衰退」ともいえる状況であり、生鮮・加工野菜の輸入はとどまることを知らない。時間のかかる新規対策とは別に、現状の改善の範囲内でできる対応策はある。
零細、多品目・少量生産でも、それをJAや自治体を越えた広域で一元的に集荷して選別、共同販売するという手法だ。東日本大震災で経済低迷した2011年とコロナダメージを食らった2020年を対比してみよう。

ニラ/軟弱野菜は本来、近郊産地に強み 高知や大分が広域一元で成果出す

【概況】
 東京市場におけるニラの入荷推移を、東日本大震災の11年と、コロナ禍と夏の天候異変があった20年で比べてみると、入荷数量は90%と1割減っただけだが、単価は140%とかなり高くなった。軟弱野菜であるため、関東近郊6県からの入荷割合は68%とほぼ変化なく高い。このほか夏場を中心に山形などの東北・北海道産もあるが、総合計でも17%程度、20年は13%に落ちた。確かに全体の入荷が減ったが、なぜ4割も高くなったのか。

【背景】
 業務用など一定の需要がある品目は入荷の増減に敏感に反応する。そうした傾向は家庭用には通常は見られない。また単価の安い近郊産地のものや輸入品が減って単価の高い産地のものが相対的に増えた場合にも卸売単価は上がる。現象的に見ると、この9年間で全体が減るなか、ひとり増えたのは代表的な遠隔産地である高知県である。高知産はこの間入荷数量は27%増えながらも単価は25%高くなった。シェアも10%から13%に増高した。

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