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イベントレポート

「水稲直播・子実用トウモロコシ」フォーラムin岩手


普及現場からの話題提供は、乾田直播が3件、湛水直播が1件あり、普及指導員と農業経営者が揃って登壇し、実践した技術体系と関連技術、課題などを報告した。
花巻市の(農)みずほは、半径2km圏内に105haの水田を集積し、効率化、低コスト化を進めてきた。主食用米、飼料用米のほか、小麦は30ha以上、大豆も作付けしている。時期的に集中する水稲作業の分散を図るために、湛水直播と乾田直播を試す一方で、小麦の機械装備を拡充した結果、水利条件と機械を汎用利用できる乾田直播にシフトすることになったという。20年産は4年目で、主食用米58haのうち2.3haで萌みのりの乾田直播を実施した。副組合長の菅原道司氏は、移植に比べて作業量は半減し、費用も約20%削減できたが、倍増した施肥量の削減を課題に挙げた。収量を安定させるためにも、圃場の均平・播種床づくりが大切で、オペレーターの人材育成に力を入れたいと述べた。
奥州市の藤田農産は父子経営で、稲作部門を担当する藤田栄貴氏が登壇した。稲作部門の拡大で増大した春・秋作業の分散を図る目的で、12年に乾田直播を導入。20年産の水稲41haのうちの18ha、品種はひとめぼれ、萌みのり、こがねもちで乾田直播を実施した。2年に1度程度のプラウ耕と均平・整地で播種床を造成し、自作の接触施肥ノズルをTUMEの施肥機に搭載して播種同時施肥を行なうほか、病害虫防除の土中施薬機も自作するなど、独自の技術体系を紹介した。収量は移植並みだが、更なる向上を目指している。現在の労働力(2名)と気象条件では20haが限界と思われるため、早生品種の組み合わせなども検討しているという。小さな圃場では移植体系を選択するなど、最適化を図っている。
続いて、山形県庄内地域の発表へ。直播栽培では鉄コーティングの湛水直播が圧倒的に多く、普及率は6.3%と高いものの、取り組む戸数は減少または停滞気味という。そのなかで19年より乾田直播に踏み切ったのは、100戸700haの生産者を束ねて民間の農協の役割を果たしている(株)庄内こめ工房の傘下でコメの生産・加工・販売を手がける(株)まいすたぁ。
登壇した齋藤一志氏は、自ら30a圃場を7枚合筆して大区画ほ場を造成し、高速汎用播種機で播種する技術体系を紹介した。稲の生育状況に則した追肥はドローンで可変施肥し、トラクターには自動操舵を、圃場際には水田センサと気象センサを設置するなど、先駆的な技術を集結。乾田直播はスケールメリットが発揮できる手法だと述べ、数年ごとに訪れる直播ブームが定着しない庄内地域の現状に触れた。20年産は種子消毒を廃止し、雑草をブームスプレイヤーで叩いて一定収量の確保に努めるなど翌年に改善を施す実行力が垣間見られる発表だった。

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