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実験的に、畑仕事の前と後でどのように体内のストレスに変化が起こるのか「ストレスチェック」を実施したときには、ほぼ全員のストレスが大きく減っており、非常にリラックスしていることがわかりました。
園芸療法を取り入れて農業体験プログラム
茨城県常総市にある園芸療法を体験できる農園「まちの庭」にて、堆肥づくりなどの園芸療法プログラムを実施したところ、田心ファームを共に運営するメンバーや浅草で運営する田心カフェの運営に関わってくれる学生ボランティアメンバーを中心に都内の若者が15名集まりました。プログラムには、パンづくりなどの工程を入れ、普段場を共にすることのないメンバーもコミュニケーションできるよう、所々に園芸療法の要素を取り入れました。
プログラム実施のポイントは、役割を決めすぎないことです。堆肥づくりにしても調理にしても、自然と役割が生まれ、それぞれの主体性が発揮されます。役割が生まれれば、それぞれの視点から対話は生まれますので、事前に決めすぎないことがポイントです。
地域の子供たちが集った半年間のプロジェクト
園芸療法の代表的な手法として「レイズドベッド」があります。これは、三段の木の枠組みを重ね、土を盛って高くしたプランターのこと。ちょうど車イスに乗ったまま農作業ができる高さになっています。子供にとっても作業がしやすい高さなので、多様な人が周りを囲んで同じ目線で作業できます。
このレイズドベッドを台東区内にあるにある秋葉神社に設置して、農業体験の場を提供する「浅草田圃プロジェクト」を実施しました。農地がゼロの台東区で暮らす子供たちに自然に触れる機会をつくりたい。そんな思いから始めたプロジェクトです。2020年の5月〜11月の半年にかけて、米や野菜を育てました。
このプロジェクトで着目したのは、園芸療法のもつコミュニケーションの観点です。地域のつながりを促進する起点になりうるか。そんな社会実験でもあります。
5月末に地域で暮らす4家族の子供たちとバケツ稲をつくり、6月には、カブ・オクラ・ニンジンの種を播き、サツマイモの苗を植え付けました。
「お米って水の中でできるの?」「ニンジンの種ってこんなに小さいの!」「オクラの種こんな色なんだ、初めて見た!」。自然に湧き上がる子供たちの言葉に嬉しくなりながらも、食と農の乖離を実感してしまいました。 オクラが苦手だった子も、自分で育てたオクラに興味も持って食べてくれ、好き嫌いを克服できたそうです。11月には稲刈りをし、一部は秋葉神社に奉納し、残りはみんなで脱穀して玄米を炊いて、小さな収穫祭をしました。
半年間のプログラムを通して印象的だったのは、子供たちが野菜や米の生育を日常的に気にかけ、散歩の途中に自主的に水をあげてくれたり、収穫適期になった野菜を見つけたら写真をスタッフに送って教えてくれるようになったりと、スタッフとメンバーの垣根を越えた関係性を築けたことです。
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矢萩大輔 ヤハギダイスケ
(有)人事・労務
代表取締役
大手ゼネコン勤務後、1995年に社会保険労務士として都内最年少で開業。起業支援ポータルサイト「ドリームゲート」アドバイザーとして新規就農にも相談に乗っている。農業を通したリーダーシップ研修の場として自社農園「アルパカファーム」を運営。八戸農業ビジネスナイトセミナーや、FM東京「あぐりずむ」の出演プロデュースなども。著書『脱家族経営!若者に魅力ある農業経営のレシピを教えます。』ほか。
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